漫画家・魔夜峰央先生の問題作『翔んで埼玉』。

ついにこの作品が二階堂ふみ、GACKTらの出演により映画化されてしまいました!

こんな日が来るなんて・・・。

題名からは想像がつきませんが、東京都民と埼玉県民にはとんでもない格差があり、壮大な差別を巡るドラマなのです・・・。

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埼玉への壮大なdisり、ひどいな『翔んで埼玉』www

なにしろ冒頭から埼玉は電気がやっと最近通うようになった、しかしTVが珍しい、手形がないと東京に入れない、入ったら入ったで差別され、デパートから叩き出される・・・というとんでもない格差が描かれているのです・・・。

東京の女子高生は埼玉にものすごい嫌悪感を抱いています。

よして! あんな田舎のにおいのしみついた連中と一緒にしないで! あいつらは今でも手形がなけりゃ街を歩けないのよ

生まれも育ちも埼玉だなんて おお おぞましい

ああいやだ! 埼玉なんて言ってるだけで口が埼玉になるわ!

その埼玉県民は、「肥料と豚小屋の匂い」がしみついているとされています。

作品はおよそ100ページで未完に終わっていますが、全編この調子で埼玉へのdisりが延々と続きます。
おおまかなあらすじは、その差別を解消しようと麗麻美(れい あさみ)が立ち上がる・・・生徒会長の白鵬堂百美(はくほうどう ももみ。映画では壇ノ浦という名字になっている)はその彼に禁断の恋心を抱き・・・、というもの。

一応作品のクライマックス(?)ではサイタマラリアに感染した百美をなんとか癒そうとする場面がありますが、これも埼玉の風土病ということになっており、相変わらず埼玉をdisっています!!

『翔んで埼玉』、さらに茨城をdisってしまうwww

茨城へ行く方法は一つしかありません
埼玉のどんづまり 奥秩父から常磐線と呼ばれるローカル線に乗って無人の荒野を三日三晩走ります

すると目の前に人間が住んでいるとは思えないほど荒廃しきった町並みがあらわれます
(中略)
なぜそんなに貧乏なのかというと

茨城では納豆しか産出しないのです!

という設定になっており、この貧しさから抜け出そうと決意した若者が1日50銭の報酬を目当てに出稼ぎにやって来るのが埼玉だとされています。

「下にはしたがあるってことか」。白鵬堂百美はつぶやきます。

なぜこんなに埼玉をdisるのか?

以前の記事にも書きましたが、創作活動を本格化させるために新潟から魔夜峰央先生が埼玉県所沢市に引っ越してきたのがきっかけでした。
上京・・・、と見せかけて埼玉だったのは西武線沿線を編集部の人が薦めたからだそうです。

ところが所沢が曲者でした。

編集長も編集部長も同じ所沢に住んでいて、原稿の催促や連載打ち切りの通告にやって来るのではというプレッシャーの日々だったそうです。

その重圧から解き放たれようとして出来上がったのが『翔んで埼玉』だったというわけです。

未完成に終わった理由は、自分が埼玉から神奈川に引っ越してしまったからだとか・・・。

そりゃ続けにくくなりますよね・・・。

2019年2月から公開される映画『翔んで埼玉』ではこの埼玉disりを二階堂ふみらがリアルに再現していることと思います。
私もどんな作品に仕上がっているのか映画館で目撃したいと思います!



映画『翔んで埼玉』。白鵬堂学院の場面の曲はヘンデル『ハープ協奏曲』です