四大陸フィギュアスケート選手権2019で紀平梨花選手がショートプログラムで使ったドビュッシーの「月の光」。

どんな曲なのかサクッとまとめました。




ドビュッシー「月の光」、どんな曲?

フィギュアスケートは単に演技が上手ければいいというものではなく、曲の解釈も採点の対象となっています。
つまり曲のことを理解したうえで、音楽性を演技で表現しなくてはならないようです。

まさかチャイコフスキーの『くるみ割り人形』の「花のワルツ」をPerfume風に踊ったら・・・。
それはそれでPerfumeが好きな私としては面白いのですが、たぶん高得点は得にくいのではないでしょうか。

それはともかくドビュッシーの「月の光」についてどんな曲なのか簡単にまとめました。

・ドビュッシー(仏、1862-1918)が1890年ごろ「ベルガマスク組曲」を作曲。その中の第3曲目。
・ドビュッシーの比較的初期の作品。
・「ベルガマスク」は、詩人ヴェルレーヌの作品「月の光(Clair de Lune)」に見られる「bergamasque」に由来するらしい。
・ちなみに、miwaの「クレアデルネ」はClair de Lune=クレアデルネ。つまりフランス語を元ネタとしている模様。

ヴェルレーヌの「月の光」の一節は次の通りです。
Au calme clair de lune triste et beau,
Qui fait rever les oiseaux dans les arbres
Et sangloter d'extase les jets d'eau,
Les grands jets d'eau sveltes parmi les marbres.
(大意:悲しくも美しい、穏やかな月の光は、梢に安らう鳥たちをまどろみの中へいざなう。
そして湧き上がる恍惚がみちあふれ、大理石を照らす)

このように、美しくもあり、どこかしら憂いを秘めた詩でもあります。
ドビュッシーの「月の光」を聴いたり、実際に演奏したりするときはこのことを念頭に置く必要がありそうです。

『ベルガマスク組曲』を通して聴いてみたい! どんな名盤があるの?

ドビュッシーの『ベルガマスク組曲』のCDは世の中にたくさんあります。
その中でも、サンソン・フランソワの演奏は世評が高くどなたにも安心して聴いていただけるものだと思います。


ただし、ドビュッシーはピアノ曲の完成度が高いので、1曲聴くと別の曲はどうなってるの? という好奇心が湧いてくるのも事実。
3,000~4,000円くらいなら出せるよ、という方は全集を買ってしまうのも手だと思います。

一度手に入れてしまえば一生聴くことになるはずですので、じつは安い買い物になります。
私はそれでドビュッシーとショパンの全集を買っちゃいました。

全集を買うときの注意点ですが、「一気に制覇しよう」という気持ちだと逆に鬱陶しくなってしまいます。
気が向いたときにサッと取り出せるのが便利、くらいの気持ちで買うと、本当に年に何回か無性に聴きたくなったときにすぐに聴けたり、フィギュアスケートで曲が使われていたときに調べ物をしたり、課題曲としてピアノの先生から与えられた時の参考になったりと何かと役立ちます。

以上、ドビュッシーの『ベルガマスク組曲』より「月の光」についてまとめてみました!