ヴァイオリニスト、千住真理子さん。前回の記事では真剣な練習の様子について調べました。
千住真理子さんの本を読んでいると、練習だけではなく食事についても独特のこだわりがあるようです。

『ロッキー』に影響を受けた千住真理子さんの食事とは
千住真理子さんの著作である『ヴァイオリニスト20の哲学』という本では、生卵を飲んでいることが書かれています。
風邪をこじらせてしまい、何か即効性のある食事はと思ったときに思い浮かんだのが生卵だったとか。
昔観た映画『ロッキー』で、生卵四~五個コップに割り、そのまま丸飲みしていたシーンを思い出したのです。試しに飲んでみると意外とすんなりいけて力も出てきました。それからは生卵を二個三個と増やし、その日の体調によっていくつ飲むか決めています。
『聞いて、ヴァイオリンの詩』では、このように書かれています。
・クロレラ一日30~40錠
・ヨーグルトはプレーンのものを1日500ml
・バナナを最低1日1本
・楽屋には常にチョコレート
(ただし、この本が出版されたのは2000年なので、2019年現在とは食生活が変わっているかもしれません。)
この他にもたくさんの肉を食べているようです。師・江藤俊哉さんから「ソリストは体力が大事だ」と諭されたことがきっかけのようです。
千住真理子さん、食事がすごく速いらしい
前述の『聞いて、ヴァイオリンの詩』では、食事がものすごく速いことを明かしています。
ヴァイオリニストとなると全国を飛び回るのが仕事。昼は移動で夜にコンサートという生活になりがちです。
必然的に電車の中で駅弁を食べることが多くなります。ところが・・・。
まだ列車が動きはじめないうちにお弁当の蓋を開け、よく噛まずに慌てまくって飲み込む。(中略)そうしてあっという間に食べてしまい、「ああ、今日もまた情緒なく食べてしまった」と反省する。
千住真理子さんの著作には、ほぼ必ず「速めし」の話が出てきます。
ということはよほど食事が早いのでしょう・・・。
私自身もヴァイオリンを弾くので、千住真理子さんの気持ちはよくわかります。
とにかく難しい楽器ですから、練習時間を確保することが日々の至上命題になります。
ヴァイオリニストの自伝などを読んでいても、「毎日10時間練習した」式の話が必ず出てきます。
学生の場合、有名コンクール前になると10時間では確実に足りなくなり、ますます追い詰められます。
(諏訪内晶子さんの場合、チャイコフスキーコンクールに出場したときはモスクワのホテルで缶詰になり1日15時間ほど練習していたとか。)
結果的に食事は楽しむものではなく、さっさと終わらせるものになります。
実際問題、私自身も食事は5分で済ませるようにしています。練習時間が何より貴重なのです。
しかし上には上がいました。
師・江藤俊哉さん(のちに桐朋学園大学の学長となる)の食事風景を横で見ていた千住真理子さんはこう回想しています。
(レッスンを受けていて)ランチ時に母が近くからピザを運んでくると、先生は噛まずに2口でピザを口に入れ呑み込む。であるから3分で終わるランチ時間に、私もあわててピザを噛まずに呑み込む。その癖がぬけず、私はいまだに早食いだ。
(せきれい社「サラサーテ」2016年6月号)
弟子の指導のための時間を少しでも作りたいという思いがにじむ一コマですね。
おわりに
一見すると特異な食生活に見えますが、プロの音楽家として生計を立てていくためにはどうしてもそうならざるを得ないのだと思われます。
なにしろ雇用保険とか厚生年金とは無縁の世界ですから、自分の技だけが頼り・・・。
特にヴァイオリンはものすごく難しい楽器(私はエレキギターも弾けますが、ギターとは比べ物にならないです!)なので、これを習い始めると本当に練習だらけの生活になっていきます。
千住真理子さんはプロ活動を始めてから40年あまりが経過しています。
これからも素晴らしい音色を披露し続けていただきたいと思います。
この他にもこちらの本には厳しい練習の様子と、彼女なりの目標達成法が書かれています。
楽器を練習している方はぜひご参考にしてください。
千住真理子さんのCDは数多くありますが、こちらの作品は聴きやすい小品が多く収められています。
丁寧な歌いまわしが素敵な一枚となっています。
*記事作成にあたり、千住真理子さん公式サイトのインタビュー記事も参照させていただきました。
https://marikosenju.com/news/interview/interview02/
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