コンサドーレ札幌やスコットランドのサッカーチーム、レンジャーズFCの応援に使われている歌が「ルール・ブリタニア」。
このブログを書いている私はサッカーには詳しくありませんが、クラシック音楽は20年以上聴いています。
どうやらサッカーでもこの曲が使われているとのことで、興味をお持ちになった方のために曲についてご紹介します。
1.ルール・ブリタニアの歌詞
When Britain first at Heav'n's commandArose from out the azure main;
This was the charter of the land,
And guardian angels sang this strain;
Rule, Britannia! Britannia, rule the waves:
Britons never never never shall[will] be slaves.
This was the charter of the land,
And guardian angels sang this strain;
Rule, Britannia! Britannia, rule the waves:
Britons never never never shall[will] be slaves.
イギリスが初めて神の命を受けた時
大海原から生まれ出たバラのようであった。
これがこの国の憲章である。
守護天使はこう歌った。
イギリスよ、大海原を統治せよ。イギリス人は奴隷に
なることは決してないのだ。
The nations not so blest as thee,
Shall in their turns to tyrants fall;
While thou shalt flourish great and free,
The dread and envy of them all.
Shall in their turns to tyrants fall;
While thou shalt flourish great and free,
The dread and envy of them all.
Rule, Britannia! Britannia, rule the waves:
Britons never never never shall[will] be slaves.
傲慢な暴君もお前を飼いならすことはできない。
お前を屈服させようとする圧制者の企みは
お前の愛国心をかきたてて、圧制者を嘆かせ
お前に名声をもたらす。
イギリスよ、大海原を統治せよ。イギリス人は奴隷に
なることは決してないのだ。Still more majestic shalt thou rise,
More dreadful from each foreign stroke;
As the loud blast that tears the skies,
Serves but to root thy native oak.
More dreadful from each foreign stroke;
As the loud blast that tears the skies,
Serves but to root thy native oak.
Rule, Britannia! Britannia, rule the waves:
Britons never never never shall[will] be slaves.
Britons never never never shall[will] be slaves.
異国から攻撃を受けるたびにお前は堂々立ち上がる。
どよめくばかりの暴風は、土着のオークの樹を深く根付かせるだけだ。イギリスよ、大海原を統治せよ。イギリス人は奴隷に
なることは決してないのだ。The Muses, still with freedom found,
Shall to thy happy coast repair;
Blest Isle! With matchless beauty crowned,
And manly hearts to guide the fair.
Rule, Britannia! Britannia, rule the waves:
Britons never never never shall[will] be slaves.
Shall to thy happy coast repair;
Blest Isle! With matchless beauty crowned,
And manly hearts to guide the fair.
Rule, Britannia! Britannia, rule the waves:
Britons never never never shall[will] be slaves.
ミューズの女神たちは自由の在り処を知って
お前の幸せな海辺を訪れる。
麗しき島国よ! (ここには)比類なき美しさ、女性を守る勇者たちが
授けられているのだ。
イギリスよ、大海原を統治せよ。イギリス人は奴隷に
なることは決してないのだ。2.曲の成り立ち
ジェームズ・トムソン (James Thomson) の「ルール・ブリタニア」の詩に、トマス・アーンによって1740年に曲がつけられた。この歌は仮装劇「アルフレッド大王」の劇末部分に含まれている。ブリタニアはイギリスを擬人化した女神のことである。つまりこの曲は、イギリスが世界を支配するであろうという気宇壮大な歌である。
ロンドンで1745年に初演され、すぐに人気を博した。ベートーヴェンはこの曲の旋律を編曲したものを取り入れ、『ウェリントンの勝利』を1813年に作曲している。また同様にピアノ曲『ルール・ブリタニアによる5つの変奏曲』(WoO.79、1803年作曲)という作品も残している。
愛国的な内容になっていますが、この歌詞が今も歌われているあたりに第一次世界大戦、第二次世界大戦の両方で戦勝国であったというイギリス人のプライドを感じるのは私だけではないでしょう。
じつは映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」でもこの曲が登場する場面がありますのでご興味のある方は作品をもう一度ご覧ください。
3.サッカー以外でも歌われる時がある
たとえば、毎年夏にロンドンで開催されるコンサート「プロムス」。
この最終日には必ず「ルール・ブリタニア」が「エルサレム」や「威風堂々」、そしてイギリスの国歌とともに歌われています。
そして不思議なことに、プロムスでこの曲を歌うときは決まって歌手は何かしらのコスプレをするのが習わしになっているようなのです。
愛国心を表現しつつも、その愛国心を茶化すというイギリス独自のブラックユーモアでしょうか!?
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キャサリン・ジェンキンスというイギリスのメゾソプラノ歌手による録音で、馴染み深い「アメイジング・グレイス」やイギリスの国歌なども収録されています。

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