世の中には「新しい何々は、1日あたりいくつ生み出されている」のようなお話はよく聞きます。

最近では新型コロナウイルスの影響でテレワークが広がったり、苦境に立たされた観光業の需要下支え策としてGo Toキャンペーンが始まったりする一方で、謎のマナーが生れています。

生れています、と言っても実際にはマナー講師と称する人たちがマナーを生産しているようにしか見えません。ザッツ自作自演!!


でそのことを記事にしましたが、「上司より速い回線は使うな」「上司より先にログアウトするな」は「ハンコはお辞儀するように斜めに押せ」レベルの謎で未だに理解不能です・・・。

さらには
SNSの謎マナーにひっくり返る。「施設の感染対策などを伝える」、んんん??
で「SNSには楽しそうな画像をアップするのはマナー違反で、滞在先のホテルなどの感染対策を伝えるのがマナー」とかいう超絶しょうもないマナーが生み出されました。これには引きました・・・。


manner


マナー講師が生み出す新しいマナーが仕事の足かせになる

ある程度社会経験のある人なら「常識的に考えてこれはアホだろ」と切り捨てることができる「新しいマナー」でも、これから社会人になろうとする真面目な大学生がこういうのを聞かされたら「そうか! 上司より先にログアウトしちゃいけないんだ! 勉強になったぜ!!」と信じてしまったとしても不思議ではありません・・・。

そういう大学生がいるから、毎年決まって就職活動に漬け込んだ詐欺まがいのビジネスが登場するんですよね・・・。

新しいマナーがくだらなすぎる理由

そもそも、「ZOOM会議では、上司より先にログアウトしてはいけない」が典型的な例ですが、合理性がまったくありません。これが新しいマナーのくだらなすぎる理由です。
同じく「ZOOM会議で上司より速い回線を使ってはならない」はもうアホかと。

SNSに楽しそうな画像をアップするな、はSNS本来の利用価値を損なうものです。
そういう人がいたら、黙って立ち去るのが一番賢いでしょう!

新しいマナーは氷山の一角にすぎませんが、こうした合理性がない習慣がこびりついており、しかもその習慣をみんなが守っているから(周りの目を気にして)自分も守らなくてはならないという忖度こそが、日本人の働き方が先進国とは思えないような変わらなさっぷりの根源であるように思えてなりません。

そういう忖度を集団的に行った結果、どうなっているかというと・・・。

「休まない」日本人の“忖度”という病。大前研一氏喝破

大前研一氏はプレジデント誌の「休まない」日本人の“忖度”という病」という記事でこのように語ります。
プレミアムフライデーの空振りから強く感じられるのは、休暇が取りにくい日本の労働慣行であり、休みさえ指示命令がないと取れない、「取れない」というより「取らない」心理である。上から「休暇なんか取るな」と言われるまでもなく、そう思ってしまうメンタリティは相当に深刻だ。森友学園や加計学園の問題で官邸の最高レベルに対する官僚の「忖度」が問題になっているが、日本のサラリーマン社会も「忖度」のネットワークが張り巡らされていて、社員を雁字搦めにしている。有給休暇が半分しか取れないほどに、である。

(以上、出典はhttps://president.jp/articles/-/22560)

これは、「会社全体として、有給を取るべきではない」という空気が共有されており、かつ私はそのことを知っている。Aさんもそのことを知っていることをBさんも知っていることをCさんも知っている(中略)ことをZさんも知っている。
私が有給をとらないからあなたも取らないしあなたも取らないから私も取らない・・・。という風に堂々巡りであり、まさに負の連鎖です。ザッツ村社会。

そう。村社会では掟に従うことを暗黙のうちに強制され、それが守れられないと村八分にされる。しかしその掟は明文化されておらず(日本のサラリーマンも契約書を取り交わさないのが一般的である)、村の外から来た人(たとえば外国人)には理解不能です。

「新しいマナー」はいらない。合理性がないものは淘汰される

さてそうした働き方をしている日本人ですが、日本という国は21世紀になって世界経済の表舞台からは事実上姿を消してしまいました。

それはそうでしょう、そういう働き方をして、そういう働き方に即した製品やサービスを生み出しているわけですから・・・。時代の流れに沿わない、時代遅れで不合理になってしまったものは淘汰されるのは当然のことで、となればマナー講師が提唱する新しいマナーとかいうものもいずれ不合理だということが露呈していずれ忘れさられてしまうでしょう。

1年後にまた雨後の筍のように新しいマナーとやらが登場するのは、これもまた自明のことなのでしょうけれど、新手のマナーに振り回されるよりも「7つの習慣」のように誠意・謙虚・誠実・勇気・忍耐を自分の行動に根付かせたほうが、よほどプラスでしょうね・・・。