2020年8月31日は私の住む町の特別定額給付金申請締め切りでした。

私は、

特別定額給付金を申請しない。「だが断る」を試してみたらどうなったの?

に書いた通り、申請の意志がなかったので申請書を捨ててしまいました。

すると8月になってもう一度申請書が送られてきたので、また申請書を捨てました。

上記記事では、次のように書いています。
正直、私自身は新型コロナウイルスの件で収入が下がったわけでもなく、生活に困っているわけでもなく、またこの騒動の前後で働き方は何一つ変わったわけではありません。

もともと友だちも家族もおらず、何年も前から休みの日はヴァイオリンの練習とジョギングだけで夜になってしまう生活サイクルだったので、出かけることもなく、「ステイホームだなんて今更何を」という気がしていました。人と食事をするのも年に3回あれば多い方です。

こう考えると、そもそも私のような人物は特別定額給付金で支援されるべきではないのです。

たしかに10万円もらうだけもらって、どこかに寄付をするというのもアリですが、いざ振込をする段になって「やっぱり3万円は自分のために使おうかな」とかケチくさいことを思いついて、「何に使おうか」「あのヴァイオリンの弦なら3セットは買えるかな」「いや弦じゃなくても」と余計なアイデアが頭の中を無限ループすることは目に見えていました。

そんなせこいことを考えるくらいなら、10万円なんてない方がマシだ!!


・・・というわけで、もう一度私は申請書を破いて捨ててしまいました・・・。

ところが申請しなかったらしなかったで、「10万円あれば何が買えるだろう?」というよこしまな気持ちが入り込んで、メンタルにジワるのです・・・。

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「10万で何が買えるか」という想像がメンタルにジワる

人間、努力なしでお金がもらえるとなると案外もろいもので、ジョギングをしていてもヴァイオリンの練習をしていてもどうしても「10万で・・・」と余計な想像をしてしまうのです。

私は平日も休日もジョギングとヴァイオリンの練習だらけで、あとはブログを書くほど。
となると欲しいものは何もなく、とくに服などもう5年くらいまったく買ってもいません。

食事もとくに関心がなく、吉野家で牛丼を食べては「うまい!」と言って満足してしまいます。

旅行はどうか? というと飛行機も新幹線も嫌いなのと、例えばヴェルサイユ宮殿やルーブル美術館のような他人の成果物を見てもあまり感動しません。

これはジョギングやヴァイオリンに取り組んでいるうちに、「この世で最も価値があり、人生の時間を使って探求するに値するのは、自分が努力によって獲得したものだ。お金のように外的な手段で獲得・経験したものはあまり意味がない」。こういう価値観になってしまったからです。

そうなると「10万もらったとしてもどうするのか。真に必要な買い物なら、特別定額給付金がなかったとしてもとっくに買っているはずだ。必要ではない買い物をしたところで、かえって自分の幸福度を下げてしまうのはすでに過去の自分が経験済みのはずだ」という結論にしかなりませんでした。

例えば旅館などで3万円使えばたしかに旅館の従業員だけでなく、食材を提供している地元の農家、漁業者をも潤すことになり、経済学でいうところの乗数効果が発生し、経済に貢献できることも理解しています。
しかし旅行も私が本当に体験したいことではないので、この手の案は却下。

それでも何度も何度も「申請しておけばよかったんじゃないか」「お前はもらいそびれているのだ」というささやきが心のなかにこだまするのでした・・・。

私は社会人3年目から投資信託などの資産運用に取り組んでおり、成績の良い月は自分の給与総支給額よりも運用含み益のほうが上回ることもあります。(今月もそうでした。あくまでも含み益であり、換金するまでは現実のお金ではありませんが。)
その一部のウェルスナビとクラウドバンクの運用状況は「資産運用」カテゴリのブログ記事ですべてさらし者にしています。

こうなると特別定額給付金はますますもらう理由がないですね。

ところがやはり「10万円で・・・」という想像がどうしても頭のなかをループします。
お金の誘惑というのはこれほどまでに強いのです・・・。メンタルを地味に侵食していきます。いや、私がせこいだけか・・・。

おわりに

こういう余計な想像がもぐら叩きのように現れるのが2020年8月でした。
ニュースによると99%ほどの人が特別定額給付金の申請をしたようです。

私は名誉ある(?)1%の奇特な人として、そういう人はなぜ申請しなかったのかの一例を書き留めておきます。「変なやつがいるなあ」と思っていただければ幸いです。なにしろこのブログは「友だちいない研究所」というくらいですから、本当に性格がひねくれていて友だちがいないのです・・・。