ヴァイオリンを弾くときの棒って何だろうと思った方もいらっしゃるでしょう。

これは棒じゃなくて、よく見ると弓なんです。

弓といってもロビン・フッドとかレゴラスが持ってるようなやつとはちょっと違いますよね。

 

もう少し詳しく言うと、これは楽弓とも言いますが擦弦楽器つまり弦をギターのようにはじくのではなく、弓でこすって音を出す時に使う弓です。

ヴァイオリンを弾くときの棒って何なの? →弓です

棒ではなく弓ですが、英語ではBow(ボウ)と言います。

でもただの棒ではありません。

使われている木材はフェルナンブーコまたはブラジルウッドといって、ブラジルが産地。
でも伐採が進んでしまい、きわめて貴重な素材になってしまいました。

2007年にはワシントン条約で輸出が規制されるようになったのです・・・。


銘器と呼ばれるヴァイオリンっていくらするの?

TVによく出てくるストラディヴァリウスやグァルネリ・デル・ジェスといった有名なヴァイオリンは、保存状態や作品の出来によっては数億円、なかには10億円を超えてしまうものもあります。

もう個人所有は不可能なので、大抵の場合は何々財団とかが所有している楽器をヴァイオリニストに何らかの条件のもとに貸与しているのが一般的です。

ではヴァイオリンの棒・・・じゃなくて弓っていくらするのでしょう?

ヴァイオリンの弓はいくらするのか

初心者向けモデルにセットで付いてくる弓なら1万円~数万円前後のものでしょう。

プロでもなんでもない私自身は40万円ほどの弓を使っています。(ヴァイオリンは70万円位です。)
音楽大学への進学を考えているならヴァイオリンも弓もその2~3倍は当たり前ですし、有名コンクールでの入賞を狙うならやはり楽器だけで1000万円は費やしているはずです。

プロのヴァイオリニストが使っている弓ならば、トゥルテやペカットといった製作家(19世紀のフランスで活躍)などのものを使っていることが多いようですが、あの棒(弓)だけで数百万~1000万という価格がつけられています。

ヴァイオリンの棒は脆い

棒じゃなくて弓は案外脆いものです。

もちろんプロの激しい使用に100年以上耐えているわけですから、フェルナンブーコやブラジルウッドといった木材は、「木」としてみれば強靭なものです。

でも・・・。

床に落としたら打ちどころが悪かった、

ぼけた爺さんが踏んづけた、

ハムスターがかじった、

犬がくわえて行方不明、

といったという出来事に遭遇してしまうとたちまちその1000万の価値も吹っ飛んでしまうのです・・・。

実際に銘器と呼ばれるヴァイオリンたちも事故や戦争、災害などで少しずつ歴史の中で失われています・・・。
目立つのはいつも楽器本体=ヴァイオリンですが、ヴァイオリンが失われたときはその相棒(棒?)である弓もまた同時に失われると考えるべきでしょう。ケースに入って運命を一蓮托生なわけですから・・・。

大事にしたい文化遺産

見かけ上はただの棒であっても、やはり私たちが生まれるよりもはるか昔に製作された尊い工芸品であり、骨董品であり、なおかつ芸術家たちの表現を生み出す道具でもあり、つまりはプライスレスな文化遺産です。
一度無くなってしまうと文字通り取り返しがつきませんから、しっかりと次世代へ受け継ぎたいものです。