私の職場のパートさんのお話。

「息子(中1)がピアノの練習をしない。
毎日20分練習しなければいけないというノルマにしている。
その日に練習しなかったら次の日はさらに何分しなければいけないということにしている」。

おげげ! それって完全に罰ゲームじゃないか!!

ピアノってそもそも子供の罰のために製造されたものなのか!? そう思ってしまいました。

piano


ピアノの練習が子供にとって完全に罰ゲームな件www

この息子(中1)というのが、聞いてみるとどうやらピアノへの熱意とかは特にないらしいのです。

でもよくわかります。

中学生男子にハノンやらチェルニーやらをやれと言っても、世の中にはもっと面白いものがあります。
正直サッカーとかのほうが面白いはずです。

私の中学生時代は、友だちがいなかったので一人で本を読んだりゲームをしたりしていました。
音楽にはまるっきり興味がありませんでした(今は毎日必死でヴァイオリンの練習をしていますが)。

私のヴァイオリンの先生はこう言っています。
「そもそも子供に毎日一定時間、エチュードや音階をやらせること自体がすごく難しい」。
たしかに集中力はないわ、なぜ音階が大事なのかとかまるっきり分かってないわで、すぐに投げ出してゲームをやりたがるのはしごく当然のことと言えるでしょう。

ピアノに向いてないなら、正直辞めさせたほうがいいのでは

子供というのは吸収力がものすごく高いです。
その貴重な時期に、適正があるとは思えないピアノをやらせるのって、正直無駄ではないでしょうか。

「ここまで続けさせたのだから、もったいない」? それってサンクコストの典型ですよね。


どんな物事でも、時間や費用をかければ、自分にとって価値あるものと感じるでしょう。しかし、まさにその物事が、これからの自分にとって「お荷物」にしかならないとしたら、どうしますか。バッサリと切り捨てることができるでしょうか?


時間や費用をかけた出来事を、「せっかくだから」「もったいないから」と感じてやめられなくなってしまうことを、サンクコスト(埋没費用)効果といいます。今までに払ったコストをムダにすることが惜しくなり、結局は損失が大きくなってしまうのです。


身につける機会のない高価なブランド品はなかなか捨てられませんが、そのぶん空間コストを何年にもわたって失っていることになります。たった今「あと60分待ち」と言われたのに「もう20分も並んだのだし」とそのまま行列に並べば、合計80分の時間的コストを失います。それでもやはり、人は自分が今まで払ったコストを棒に振ることができない傾向があります。


サンクコスト効果は、コンコルド効果とも呼ばれています。イギリスとフランスが共同で開発を進めた旅客機「コンコルド」にちなんで名づけられたものです。1962年に開発がはじめられたコンコルドは、常識を超える高性能が画期的で、開発当初は世界各国から注文が集まりました。


しかし、開発が始まると、さまざまな問題が露呈してきました。コンコルドは燃費が非常に悪く、通常よりも長い滑走路を別に用意する必要があり、(中略)価格は膨れ上がりました。


これらのことが判明してからコンコルドはキャンセルが続き、ついには開発予算の回収すら不可能な状態まで追い込まれました。つまり、大赤字です。しかしプロジェクトは進み、しまいには数兆円の赤字を抱えた旅客機が誕生してしまったのです。


コンコルドの開発が進んでしまった背景には、「ここで開発をやめたら、今までの労力がすべて無になる」というプロジェクトチームの意識が働いたといいます。やめなければ、今までのコストよりもはるかに膨大な時間的、費用的コストを払うことになるのに、チームは退くことができませんでした。


(https://blog.counselor.or.jp/business_p/f071より)

このように、人はこれまでの努力を水の泡にさせたくないという心理が働いて、ますます多くの時間とお金を無駄にしてしまう傾向があります。

自分の子供は、ピアノへの適性がなさそうだ。

だけどこれまで続けてきたのだし・・・。
そう思っていると、コンコルドの二の舞を演じることになるかもしれません・・・。

そうならないためにも、親としては「こういう状態になったら、ピアノは打ち切る」とボーダーラインを決めておくも一つの手だと思います・・・。