寺沢大介先生の名作漫画『ミスター味っ子』。

この作品に登場する日本料理界の重鎮、味皇こと村田源二郎がお話の初期に名言を吐いています。

たまに人前でヴァイオリンを弾くことがある私は音楽の演奏にも通じるものがあると思いました。
そこでブログ記事としてメモしておきます。

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味皇の名言その1

材料は金さえ出せば誰にでも手に入る。 が、大事なのはそれを調理する料理人の技量だ! 腕だ! 心だ!
うーん、深い!
1500万円くらいお金をかけてコンサートグランドピアノを買っても、何億ものお金を積んでヴァイオリンの銘器ストラディヴァリウスやグァルネリを買ったとしても、結局は演奏者の腕と志がなければいい音楽にならないのです。

ウィーン・フィルのコンサートマスターを務めていたライナー・キュッヒルさんは「ひどい楽器をつかっています」と音楽プロデューサーの中野雄さんに語ったことがありました。
キュッヒルが渋面を作ったオーストリア製のヴァイオリンやチェロは、丁寧に造られた良質の弦楽器ではあるが、一挺何千万円もする、いわゆる銘器ではない。おそらくN響とか、シカゴ響とかのプレイヤーが使っているものに比べれば、値段は少なくとも一桁、ことによったら二桁違うかもしれない。しかし、楽友協会のホールで古典派やロマン派の作品を弾く分には(少なくとも私達愛好家にとっては)、まったく文句のつけようがない。

この文章から推測すると、およそ300万円前後、どんなに高くても500万円を越えることがなさそうです。ということは日本の音楽大学に通っている学生くらいの楽器レベルぐらいですね。

でもウィーン・フィルの音色は唯一無二。
彼らを支えるのはオーケストラの伝統であり、その伝統もまた楽団員によって支えられ、次世代へ受け継がれてゆくのです。

音楽家の技量、腕、心が感動の原点だという意味で、味皇の言葉は料理だけでなく音楽にも同じことが当てはまります。

味皇の名言その2

何度も言おう。料理の工夫に、もうこれで良い、ということはない。 さらなる努力と工夫で精進せいよ!
こちらも物語の序盤に登場する言葉です。

私はいまモーツァルトの『ヴァイオリン協奏曲第3番』という曲に取り組んでいます。



プロを目指す人なら小学校の低学年あたりでクリアできてないと厳しいです。
モーツァルトのあとで協奏曲ならラロ、ブルッフ、サン=サーンス、メンデルスゾーン、チャイコフスキー、ヴィエニャフスキといった感じで進みます。

なんだ小学生が弾く曲かと思うかもしれませんが、やはりモーツァルトは奥が深い。
プロオーケストラの演奏会でも当たり前のように登場する曲ですし、コンクールでもほぼ確実にモーツァルトは課題曲になります。その人の音楽性とか基礎力とかセンスがもろに出てしまうのがモーツァルト。

もちろん名演奏のCDはたくさんありますし、これからもそれを上回る演奏が出現する可能性はあります。
味皇が言うように、工夫には終わりがなく、努力と工夫を重ねて精進すべきなのは料理人だけではなく、音楽家も同じようです。

おわりに

子供の時テレビで見ていた『ミスター味っ子』。
大人になって原作を読んでいますが、昔は気づかなかったようなはっとした瞬間がところどころにあります。
つまり自分もそれだけ年を取ってしまったんですね・・・。

自分も生きているうちに誰かを感動させられる演奏をしてみたいです。

KindleUnlimitedなら『ミスター味っ子』が実質0円で読めるみたいです。

名作漫画がこういう形で一気読みできるのは嬉しいですね。