大学入試のシーズンは1月のセンター試験(大学入学共通テスト)を皮切りに2月下旬になると私立大学はほぼ終了。
その後に国公立大学の入試が始まります。

私立大学では合格を逃したものの補欠になった人もいるはず。

では補欠から「補欠合格」に繰り上がる人はどんな人でしょうか。いつそれがわかるのでしょうか。
私は普段大学入試の仕事をしていますが、これがなかなか厄介な問題なのです・・・。

juken_goukakuhappyou_happy


大学入試で補欠に。補欠合格になるタイミングはいつ?

例えば青山学院大学の2020年度一般入試要項ではこのように書かれています。
補欠合格者について正規合格者の入学手続締切日における手続状況等により、順次『補欠合格者(追加合格者)』として補欠合格通知書および入学手続書類を速達にて郵送します。また、インターネットでも発表を行います(UCARO による個別合否照会)。補欠合格者は、入学手続をすることで入学が許可されます。なお、学費等の延納はできません。
どこの大学も大体同じような運用になっています。

注目すべきポイントは、

「正規合格者の入学手続締切日における手続状況等により」

です。例えば入学手続締切が2/25だったとします。
その日の手続状況を大学が確認して、補欠合格を出すかどうかを判断するというものです。

これは大学の経営判断になってくるのですが、「この方式の入試で100人入学者を出そう」という計画を立てていたとします。
しかし実際には入学手続締切日の時点で105人の入学が確定していたとします。
すると補欠合格が出る可能性はまずありません。

逆に「100人来てくれると思っていたが、実際には入学手続締切日の時点で80人しか入学手続を完了していない」という場合ですと、あと20人補充しなければいけません(大学も経営が大変なんです)。
この場合ですと補欠合格を数十人は出すことになるでしょう。


で結局、補欠合格が出るか出ないか、いつ分かるのか?

第三者的には、補欠合格が出るのか出ないか、補欠になったあなたが補欠合格になるかどうかはまったくわかりません。
そりゃそうですよね。経営事情が絡んで補欠合格を決めているわけですから、そんな内部事情を受験生に開示するわけないですよね。

ちなみにですが、めでたく補欠合格になった場合は、「その大学は、その年度の入試は競合校に人が流れてしまった」という可能性が考えられます。
例えば日本女子大学なら東京女子大学とか、関西大学なら関西学院大学とか・・・。
それで人がいまいち集まらないので、補欠合格を出すことに・・・。

2017年ごろからですが、文科省は各大学に対して入学定員を遵守するよう指導しています。
このため「100人定員だけど、120人入学しちゃった」というのはあとあと補助金を減らされたりするのでどこの大学も戦々恐々としており、入学定員と実際の入学者数が極力一致するように入学者数予想はかなり厳密に行っています。
そのための微調整として3月下旬まで補欠合格を出すところもあります。

浪人か・・・、と思っていたら最後の最後に「補欠合格!」ということもありますので、希望を捨てないでいてほしいですね。