2020年2月16日のUTAGE! では渡辺麻友さんは残念ながら体調不良により降板となりました。

ところがこれに関連していろんな意味で悲しい報道が・・・。

いちいちリンクを貼ったり引用しようとは思いませんが、「女優業がうまく行っていないらしい」「芸能界を引退しようとしているらしい」といった根拠の乏しいもの。
要するに「風説の流布」であろうと思われます。

残念ながら芸能ニュースではこうした噂レベルのネタを記事にする「飛ばし記事」がよく見られます。

芸能人が有名になるのはマスコミの力によるところが非常に大きいのですが、他方でこうした記事を書くライター、取り上げる媒体もこの業界には存在します。

sorrow


悲しい報道、その理由

私が「悲しい」と思わざるを得なかったのは、こうした媒体も渡辺麻友さんがかつて所属していたAKB48が一大ブームとなったときは、その人気に便乗する記事を書いて集客し、ページビューとそれなりの広告収益を稼ぎ、潤ったと考えられるからです。

ところがこの手の媒体は、かつての勢いが衰えるとそのことを揶揄するような記事を書き、人の苦境をネタに再度ページビューとそれなりの広告収益を得ようとします。

さらには渡辺麻友さんがUTAGE! で不在だった=仕事がうまくいっていないとでも言いたげな記事を書く・・・という姿勢に悲しみを感じてしまいます。

つまり
・自分にメリットがあるときは(背後に福沢諭吉が見えるので)接近し

・メリットがなくなるとたちまち潮が引くようにいなくなり

・場合によっては噂レベルの話すら自分の収益のために使う
という人間のよくない面である、「行動基準は、自分にメリットがあるかないか」という性質が垣間見えてしまうからです。

光GENJIの諸星和己さんはグループ解散を明らかにするとその途端に一気に自分の周りから人がいなくなり、結果的に人間不信になったと語っていたことがありました。
一世を風靡したアイドルで、多くの人に囲まれていても孤独だったことがうかがわれます。
諸星さんは、過去もそしてこれからも様々な場で繰り返されるであろう「2階に上げてはしごを外す」というパターンに直面し、深く悩んだのでしょう・・・。

できることなら、私は誰にでも平等に接したい

さて渡辺麻友さんはアイドル時代、握手会ではファンにあくまでも優しく明るく接していたと言われています。そうした地道な活動で培われたファンとの信頼は、彼女の最大の資産であると言えるでしょう。

世の中には「たかがアイドル」と低く見る向きもあります。しかし学ぼうと思えば人は何からでも学ぶことができるはずです。少なくとも私は彼女の振る舞いから「努力とは」「舞台に立つことの責任とは」など、多くのことについて示唆を受けました。(これが「ファンは推しに似る」でしょうか。)

相手が上り調子のときも下り坂のときも、かつて彼女がそうだったように常に変わらず平等に接することができたら・・・。
渡辺麻友さんの次回作を心待ちにしつつ、他方で彼女をめぐる一部報道を目にして改めてそう思いました。


追記:流行りの人を持ち上げたり、期待が叶えられないと途端に批判し始めるというパターンについては「書評:遠藤周作『イエスの生涯』に見るイエス・キリストの孤独。」にて考察しました。