これは「ブラックホールとは」「ヘミングウェイとはどんな人で、代表作は」のようなウィキペディア的な知識が網羅的にまとめられている便利な本です。

「(月)歴史・(火)文学・(水)芸術・(木)科学・(金)音楽・(土)哲学・(日)宗教の7分野から、頭脳を刺激し、教養を高める知識を365日分収録!」というのが謳い文句。

私はこの本をパラパラと読み進めましたが、以前から知っていたことの再確認と、初めてしる知識に「へえ」となりながら楽しく読書をすることができました。

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『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』で知識の欠落を塞げる

何曜日にはどのテーマという規則性があるため、延々と一つの話を聞かされるということがありません。
ということは、高速道路で居眠り運転を起こさせないために道路がわざとカーブしているのと同じように、退屈しないように工夫されているということですね。

例えばロゼッタ・ストーンの項目はこう書かれています。
1799年、ナポレオン率いるフランス軍の兵士が、エジプトのアレクサンドリア近郊で砂に埋れた不思議な黒い石を発見した。その石には、三種類の古代文字が刻まれていた。最初に刻まれていたのはギリシア文字だ。その内容から学者たちは、この意志はアレクサンドロス大王の帝国から別れたギリシア系の王国がエジプトを支配していた前196年ころのものだと特定した。黒い石に刻まれた残る二種類の文字は、エジプト人が昔から使ってきた文字ヒエログリフと、その簡略版だった。
このリード文に続けて解読者が誰で、いまはどこにあるのかなどが説明されています。
1項目はせいぜい2~3ページですが必要十分に情報は盛り込まれており、次から次へと出てくる一品料理のような調子で読みすすめることができます。

宗教の項目だけは旧約聖書ネタが多くて普通の日本人なら読み飛ばしても構わないと思います。
歴史と科学のお話は、これを知っているのと知らないのとではニュースを見たときの理解にかなり差が出てくると思います。

今の教育制度では高校生のときに文系か理系かを選ぶことになっています。
文系の人は自然科学の知識が欠けていて、たとえば発電所や自動車が動く仕組みを人に説明できなかったり(そもそもよくわかっていなかったり)、理系の人はルソーとロックを混同していたり(そもそも歴史系科目をほとんど履修していなかったり)と、知識が偏っているのが普通です。

『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』では、項目が欧米の事柄に集中しているきらいはあるものの、大学の一般教養科目で習う程度の知識をざっくりと吸収できます。

大人が読んでもよし、子供が読んでもよし

私はむしろこのくらいのレベルの本なら小学校高学年くらいの子供に読ませるべきだと思います。
小学生にコンラッド『闇の奥』とかイデア論が理解できるはずもありませんが、他方で「超新星とは」といった宇宙の神秘に迫るテーマが解説されていたり、「チンギス・ハンはどうやって版図を拡大したのか」など歴史ロマンあふれるお話が載っていたりと、子供でも頑張れば理解できるものもあります。

要するに小さいうちから小学校レベルを越える知識を植え付けておけば勉強に対してもっと好奇心を持って取り組むだろう、より深い学びに対して子供のころから貪欲になるだろう・・・、ということです。

私の同級生に小学校5年のころから「タイタニック号の沈没が」「桶狭間の戦いが」と言っている人がいましたが、やはりこの手の本を当時から読んでいたようです。彼はのちに名古屋大学に進学しました。

おわりに

というわけで大人が読んでも子供が読んでも面白い『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』

Kindle Unlimitedで無料で読めてしまいますので、暇つぶしに読むなり、教養を網羅するために読むなり、子供に読ませるなり、使い方はいろいろです。