日向きょう先生の新作、『羽柴くんは152センチ』第2巻。

主人公の羽柴くんは題名のとおり身長が152センチ。

日本人男性の平均身長は170センチほどですから、そうとう低いことになります。

幼なじみの羽柴くんと数年ぶりに再会したら、美しすぎる152センチ男子になっていた。しかも152センチなのに魔性で、152センチなのに人たらしで、152センチなのに距離が近い!! バレー部でキャプテンをつとめる夏と羽柴くんとの「逆」身長差は20センチで・・・このキョリ、縮めることができる!??
これは『羽柴くんは152センチ』について出版社が紹介している短評です。
再会したのは望月夏(もちづき なつ)。彼女の身長は172センチ。つまり身長差は20センチ。

どうやったら1巻に引き続き2巻で距離が縮まるのか・・・?




『羽柴くんは152センチ』第2巻の感想。まずストーリーが軽快で楽しめる

現実には172センチの女子と152センチの男子が同じコミュニティ内にいて、かつある程度深い関係になるということはほぼ起こりえません。

とはいえ作者が「こうだ」と言えばそれが正しいのがフィクション作品。

『羽柴くんは152センチ』では、天真爛漫な性格の羽柴くんが台風の目になって周りの人を次々と幸せな気持ちにしていきます。

1エピソードは15ページほど。この15ページのなかで、羽柴くんが夏を好きだという気持ちがいろんな場面で大声で語られ、周りの人がそこに巻き込まれ、横で見ていた夏が恥ずかしさのあまり大きなリアクション・・・。

サクサクと進む軽快感は次々と出てくる食べ放題のひと口ケーキのようですね。


絵柄が爽やかでストーリーとマッチ

もともとは講談社の『なかよし』に掲載された作品なだけに、絵柄は細めの線が主体で上品な爽やかさが感じられます。

男性向けコミックですと線が太かったり、墨の量が多かったりと力強いタッチの作品が多く、力強い絵の作品が多いものですが、こちらはやはり女性向けの作品ということもありどこか優しげな画風。

これが身長152センチの男の子が172センチの幼なじみの女子に片想いをするというちょっと儚くて切なさもある、キュンキュンするストーリーととてもマッチしています。

日向きょう先生は自画像やお名前から察するに女性だと思いますが、女性目線から見て「萌えてしまう小柄な男子」というピンポイントな好みをうまく描いていると思います。

ちなみにですが、この記事を書いている私は男です。
男ですが、身長は156センチです。健康診断ではたまに155センチになることも。
大学時代は髪が長くて(単に髪を切りに行くのが面倒だっただけ)、「広末涼子に似ている」と言われたこともあります(実話)が、とても2次元には叶いません・・・。

低身長男子がモテるコツはコミュ力にあった?

低身長男子というと、普通モテからは遠いです。
私が婚活しようとしたときは、営業担当から「99%の女性が『身長165センチ以上』の希望欄にチェックを入れているので、1都9県で3人しか女性を紹介できませんが、それでも入会しますか」と言われたことがあります(これも実話)

ところが『羽柴くんは152センチ』の第2巻では、とうとう夏との距離を縮めてしまいます。
羽柴くんが眠る顔を見て、夏はこう言います。
寝顔かわいーなと思って じゃあ羽柴もおねむみたいだし そろそろ寝よ・・・

これを受けて羽柴くんは・・・。
かわいいとか こっちのセリフだけど 忘れてない? オレが男で 夏を好きだってこと

こうして2巻の終わりで二人の気持ちは少しずつ動き出したのでした・・・。

ここに至るまで、バレー部のジャージ紛失(?)事件や体育祭など様々な出来事がありましたが、物語を一貫して動かしてきたのは羽柴くんのコミュ力でした。
・夏が好きだという思いがあり
・かつ声に出してそれを表現し
・しかもはっきりと行動している
という有限実行な点が周りを巻き込み、コミュニティ内で良い連鎖が発生しています。
そして羽柴くんもますます人望が集まるというパターンです。

これを見ていると、身長が低かろうが高かろうが、人に好かれるのは「自分がどう他人と関わるか」というコミュニケーションによるところが大きいのではないかと思われます。
(ちなみにこのブログが「友だちいない研究所」という根暗なタイトルなのは、つまり・・・。)

おわりに

ちょっとむずかしいことを考えてしまいましたが、いちいちそんなことを思わなくてもサクサクと楽しめてしまうのが『羽柴くんは152センチ』。

低身長男子に萌える人もそうでない人も電子版をスマホに入れておいて通勤・通学中に幸せな気持ちに浸れるいい作品だと言えるでしょう。