作曲家、小林亜星さん。1961年のCMソング(レナウン)の「ワンサカ娘」と「イエ・イエ」で一世を風靡しました。

その後も都はるみさんの「北の宿から」でレコード大賞を受賞。

様々なヒット曲を世に送り出した作曲家です!

その小林亜星さん、大学に進学したものの所属していた医学部を辞めて経済学部に入ったり、せっかく就職したのにかなり早いうちにサラリーマンを辞めてしまったりと「辞める」エピソードがところどころに見られます。

しかし、どうやらここに一つの成功法則があるようです。

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小林亜星さん、音楽好きの人生だった

1932年(昭和6年)に生まれた小林亜星さん、子供の頃からヴァイオリンの曲が好きで、SPという1分間に78回転するレコードで「チゴイネルワイゼン」などを聴いていたようです。

また、お父様の弟と一緒に新宿のカフェ(今でいうと居酒屋のようなもの)に出入りするようになり、子供の頃からそこで流れていたジャズに心を動かされたとか。
このことが後に作曲家の道へ進む原体験となったのかもしれません。

小林亜星さんの名前の由来とは

この名前は本名で、戦時中はアメリカの「亜」、星条旗の「星」だからといじめられたとご本人が語っています。

お母様が長野県出身で、のちに実践女子大学に進学、そして築地の劇場で女優をしていると、そこの演出家の息子さんの名前が「亜土」。そこから「亜星」という名前を付けたそうです。


小林亜星さん、医学部を辞める

音楽プロデューサー、中野雄さんとの対談で小林亜星さんはこう語っています。
自分が合唱やオーケストラの作品を発表すると評判が良かったので、アルバイトのような形で作品を作るようになりました。当時、慶應義塾の医学部に在籍していたものの・・・。

やっぱり自分の歌は結構受けると、自信のようなものがついた。それが間違いのもと。医学部はとっくに黙ってやめて(笑)、三年のときには経済学部に代わっていた。オヤジが「そろそろお前も信濃町の病院の方に行かなくちゃあ」(笑)と「いや、実は今年で卒業なんですよ」と言ったら、オヤジががっかりしちゃった。
音楽に熱中するあまり、医学ではなく別の学部のほうがいいと思って家族に黙って転部してしまったようです。

小林亜星さん、サラリーマンも辞める

それからサラリーマン生活を二年くらい。学生時代は金があって銀座で飲んでましたから、勤めるなら銀座じゃなければ嫌だななと。サラリーマンになったら二日え給料を全部使っちゃって、このへんのバーはみんな借金だらけ。これじゃもうだめだというんで、会社をやめて結婚しちゃった。
「やめてどうやって飯を食っていこう」
考えましたね。仕事は営業だったんですけど、セールスは好きな人と嫌いな人がいる。嫌いな人は好きな人に絶対に勝てません。これは自分が得意なことをやるのに限ると。好きこそものの上手なれ。じゃあ、私の好きなことはなんだろうと考えたら、やっぱり音楽しか無かった。
「最近の若者は3年で会社を辞めてしまう」といったような話を耳にすることがありますが、小林亜星さんの場合はなんと2年で退職でした!!

しかしここにひとつの成功法則があるのではないでしょうか。

「好きなこと」と「嫌いなこと」。好きなことに向き合うのが大切な理由

「嫌いな人は好きな人に絶対に勝てません」。
その仕事を好きな人は、勤務時間とか給料などとは無関係にいくらでも没頭することができます。
結果、スキルが身についてますます周りから頼られたり、尊敬されるようになり、一層昇進していきます。

2019年春~秋に放送されているNHKの朝ドラ『なつぞら』では広瀬すずさんがヒロインを演じていますが、彼女はアニメーターという仕事をしています。
「タイガーマスク」や「デビルマン」と思われる作品を次々とヒットさせる彼女は、家に帰っても夫とともにアニメづくりの話をしています。

もちろん仕事を家に当然のように持って帰り、夜遅くまで作業をすることも。

なぜ彼女が手掛けた作品がヒットするのか・・・、その理由は「好きだから、いくらでも没頭できる、クオリティを追求することが楽しくて仕方ない」、これに尽きると思います。

小林亜星さんの子供時代を調べてみると、常に音楽が身近にあり、そして音楽が好きでたまらなかったという事実が浮かび上がってきます。
好きなことに徹底的に取り組むこと、これが成功への道だと示唆しているかのようです。

最近ではAIが業務に導入され、仕事を自動化する仕組みを整えつつある大手銀行ではリストラが始まるなど、サラリーマンの働き方は大きな曲がり角がやってきているようです。

好きでもない仕事をブツクサ言いながらやっていると、いつか自分がリストラの対象になり・・・、なんていうことになっても不思議ではありません。

やはり自分が愛着が持てる仕事を見つけることが大切なようですね。


参考文献:中野雄『音楽に生きる』