ヨハン・シュトラウス2世の代表作のひとつ、「ウィーンの森の物語」。
これは「美しく青きドナウ」と並んで「森派」と「川派」の対立(?)が続いている彼の2大名曲です。
もう一つ、「皇帝円舞曲」の3つを押さえておけば、ヨハン・シュトラウス2世の有名どころは知っているよと人に十分自慢できるレベルだと言えるでしょう。



しかし有名な曲だけに、「ウィーンの森の物語」は名演奏からどうでもいいような演奏まで様々なCDで溢れかえっているのも事実です。

ハプスブルク王朝時代末期の華やかで優雅な雰囲気を思い出させてくれるような演奏があれば、楽譜に書かれていることを一応音にして演奏してみましたというものも・・・。

私はクラシック音楽を聴いて20年近くになりますが、自分なりに「いい演奏だな」と思ったCDを挙げてみたいと思います。

「ウィーンの森の物語」。名演のCDはどれ?

まずはニコラウス・アーノンクールの演奏から

え、ウィーン・フィルじゃないの? オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏なの? と思うかもしれません。

アーノンクールも一応ウィーンゆかりの指揮者で、ああ見えて何かしらの愛着がウィンナ・ワルツにあったのか、その愛着をあえてウィーンではなくアムステルダムのオーケストラを指揮して表現しようとしたのか・・・。

なんだか屈折したものを感じてしまいますが、耳を傾けてみるとひとつひとつの音が丁寧に演奏されていて、この団体が「オーケストラのストラディヴァリウス」と呼ばれる理由も分かります。

ワルツ=単なる娯楽音楽ととらえるのはもったいない。真剣に演奏すれば交響詩のような世界が見えてくる、そう言いたいかのようです。
「ウィーンの森の物語」だけではなく、「美しく青きドナウ」も収録されているのがお得な一枚になっています。

この記事を作成している時点ではアマゾンでは品切れになっていますが、楽天では一応取り扱いがあるようです。
都心の中古CD店でもたまに見かける時があります。たかがワルツと思わず、見つけたら即買いしても後悔はない水準の演奏です。

ウィーンらしいオーソドックスな演奏




ウィーンらしい演奏といえばボスコフスキーによるもの。
彼はウィーン・フィルのコンサートマスターを務めながら指揮者としても活躍しています。
1909年に生まれ、若干23歳の若さでウィーン国立歌劇場管弦楽団入団、翌年にウィーン・フィルに入団しました。

1955年から1979年までの間、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを指揮。
彼の音楽づくりは古き良きウィーンを偲ばせる、雅なたたずまい。
「ウィンナ・ワルツとは」という疑問を感じたら、まず聴いてみるべき演奏だと言えるでしょう。

『下妻物語』にも登場する「ウィーンの森の物語」

深田恭子さん、土屋アンナさんらによる映画『下妻物語』。
田んぼだらけの茨城県下妻市を舞台にゴスロリファッションにこだわる少女桃子とレディースの暴走族イチゴの友情を描いた感動のドラマ。

「お前、何の曲聴いてんだよ」
「ウィーンの森の物語」
「そんなバンド、知らねぇな!」

・・・。この凸凹コンビは一事が万事こんな調子でお話は進むのでした。
むしろ「ウィーンの森の物語」よりもこっちの映画(と原作の小説)が強烈なインパクトがあるので、こちらもぜひ・・・。