大学入試やTOEIC、その他何々検定などで試験監督のバイト募集がかかることがあります。

日給は8,000円~10,000円となかなか悪くありません。

仕事の内容もえてしてスーツを着て立っているだけ。あとは問題用紙、解答用紙を配ったり、集めたり、座席に誘導したりするだけ・・・。

楽なバイトというイメージがあるかもしれません。

ところがこのバイト、思わぬところに難しさがあるのです・・・。

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入試や資格試験の試験監督に潜むリスク

私は普段入試関係の仕事をしていますので、入試に伴うリスクというものを痛いほどよく分かっています。

大学関係者が入試関連の仕事で一番恐れているのが、センター試験(2021年1月から、「大学入学共通テスト」)。
これは大学入試センターという運営元から「実施要領」「監督要領」「成績提供要領」「輸送要領」など分厚いマニュアルがドカドカと送られてきて、このマニュアルに書いてあることを忠実にすべて実行しないといけません。アドリブは認められません。全国統一で実施する試験なので、ある試験室でアドリブをきかせる=業務実施内容に別の試験室と差が出てしまうからです。

もし万一マニュアルに書いていることを実行できないと、(あるいは定刻通りに実行できないと)ただちに大学入試センターに報告しないといけません。

場合によっては翌日のTVニュースになったり、新聞に掲載されることも・・・。
大学入試センター試験は(2019年)20日が2日目です。初日の19日は係員の対応ミスで45人が来週末に行われる再試験の対象になりました。

19日は全国693の会場で地理歴史・公民、国語、外国語の筆記、リスニングの試験がありました。大学入試センターによりますと、神田外語大学で国語の試験時間が1分短いまま終了するなどして、合わせて4会場で45人が再試験の対象になりました。再試験は来週末に行われ、再受験するかどうかは選択ができるということです。また、東京農工大学では、英語のリスニングで監督者の説明ミスがあった影響で96人の試験開始が70分、遅れました。20日は理科と数学の試験が行われます。
(https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000145643.htmlより)

新聞に載ってしまうというのは、つまり悪名が全国区になってしまうということです・・・。
試験監督バイトの難しさはこのあたりにあります。

入試や資格試験の試験監督バイトの難しさとは

あなたはアルバイトとして試験監督をしているつもりでも、受験生にしてみれば「運営スタッフ」。
アルバイトなのか、正規の職員なのかは分かりません。とにかくあなたは「運営スタッフ」。

あなたの言うことに受験生は従わなくてはなりません。

あなたがアナウンスを間違えると、間違った情報を受験生が信じてしまい、別の試験室と違ったことをしていることになります。
ちょっとした間違いで数十人規模の人間に影響を与えてしまう・・・。恐ろしいでしょう!?

アナウンスといっても、もちろんマニュアルが渡されているので書いてあることを読み上げるだけでOKなはず。
理論上はそうなのです。

しかし、
・集団でやって来た受験生を座席に案内しているうちに注意事項を読み上げる時間がなくなって焦った!
・焦ってマニュアルを読んだら1行読み飛ばしてしまった!
・しかも漢字を読み間違えた!
・言い間違いを訂正しているうちに時間が来た! 定刻通りに試験を始められなかった!
とかはよくあることなのです。

さらに。
・問題訂正の紙が運営本部から届いたので訂正文を板書しないといけなくなった!
・慎重に板書したつもりだったが、「押し上げた」を「押し下げた」と書いてしまった!
・あとで板書チェックに来た職員にそのことを指摘されてしまった!

そして。
・どうするか運営本部で協議した結果、あなたの試験室だけ試験終了時刻を繰り下げることになった!
・なぜ間違えたのか、あとで運営本部で事情聴取することになった!
・同じ間違いを繰り返さないために、マニュアルに対策をしっかり書いておくことにした!
・そしたらマニュアルが分厚くなって、逆に試験監督は読む気が失せた!
・翌年そのせいで別の事件が起きた!

・・・なんていうのは本当に起こっていることなのです。

つまり、「一見簡単に見えるが(事実簡単なのだが)、緊張していたり想定外のことが起きて焦ったりしてしまい、間違えやすい仕事」であること。

しかも、間違えると取り返しがつかないことになりがちな仕事であること。

これが試験監督の難しさです。


入試や資格試験の試験監督バイト。間違えないためには?

試験監督はマニュアルがすべて。
きちんとマニュアルを読んで内容を理解すること、想定外のことが起きたら自分で判断しないで、運営本部に速やかに報告して対応を相談すること。
本部の指示を確実に実行すること。

以上のことを人情を交えずに淡々と行える方であれば、試験監督は向いている仕事だと思います。

マニュアルよりも自分の感覚がすべてだ! という方は、試験監督よりも接客などの方がきっと向いているはずなので、おすすめできません。(逆に試験監督向きな人が接客業をすると、お客さんに「杓子定規な奴だ!」と思われるかも?)

「うちの子が熱を出している。面接の順番を繰り上げて欲しい!」
そう言って試験監督に泣きついてくる保護者もいます。
接客業的には要望通り順番を変えることは保護者から感謝されることなので良いことでしょう。

しかし試験(資格試験も、入試も)は運営ルールに則り公正に行われなくてはならないもの。
「頼まれたから要望を受け入れた」ということは、「頼めばその試験室だけルールを改変できてしまう」ことになりますから、こうしたことは絶対に受け入れてはいけない要望なのです・・・。


おわりに

以上が試験監督という仕事にまつわるリスクや難しさになります。
向いている人、向いていない人色々だと思います。

個人的には、陰キャって呼ばれている(思われてる)人が向いてるイメージです。
ていうか陰キャがじつは武器になる仕事だと思います。明るい人って、えてして着実になにかを実行することって向いてなかったりしますからね。
適性がある人にとっては本当に簡単な作業で1万円くらい稼げますので、ぜひ一度くらいはチャレンジしてみてください・・・。