ヤフーニュースでも取り上げられているとおり、ツタンカーメン像がオークションにかけられ6億円を超える金額で落札されました。

古代エジプトの少年王、ツタンカーメン(Tutankhamun)の3000年前の頭像が4日、ロンドンで競売にかけられ、474万6250ポンド(約6億4400万円)で落札された。珪岩(けいがん)でつくられた高さ28.5センチのこの像の競売をめぐっては、エジプト政府が激しく抗議し、近年で最も物議を醸した競売となった。

このオークションを実施したのは有名なイギリスのオークション業者、クリスティーズ。

1766年に創業したクリスティーズは、世界で最も長い歴史を誇る美術品オークションハウスです。現在ではロンドン、ニューヨーク、香港を中心に、世界各地で年間約350回のオークションを開催し、美術品をはじめとして、宝石、時計、家具など80種類以上に及ぶ分野を取り扱っております。
(https://www.christies.com/exhibitions/japan/#gettingstarted_Nav より)

じつはクリスティーズは日本でもオフィスを構えていました。

〒100-0005
東京都千代田区丸の内2-1-1    明治生命館4F 
*日比谷通りと鍛治橋通りが交差するところに位置しています。

電話:03-6267-1766
ファックス:03-6267-1767

営業時間:平日(月~金)10:30 – 18:30

オフィスに直接お越しいただく際は、事前にアポイントメントをお取りください。
(引用は上記URLより)

日本も主要先進国であり一応は世界第三位の経済大国ですから、まあ事業所があるのは当然ですよね。

面白いことに、クリスティーズは日本語でインスタグラムのアカウントを運用していました。
たとえばこういう品物のオークション実績を投稿しています。

この投稿をInstagramで見る

5月にクリスティーズ香港で開催された時計オークションでは4つのパテックフィリップがオークションレコードとなりました。なかでも、35 年間で349 個しか生産されていない永久カレンダークロノグラフ第4世代が684 万5,000 香港ドル( 約9,600 万円) でオークションレコードとなり、大変素晴らしい結果を樹立しました。 . 現在時計の査定を行っております。ご興味のある方はお気軽にご連絡下さい。(メール:mtamaoki@christies.com/ 電話:03-6267-1766) お問い合わせお待ちしております。 . パテックフィリップ 18Kゴールド 永久カレンダークロノグラフ ムーンフェーズ 型番2499/100 4thシリーズ 1983年製 :落札金額(買い手手数料込み):HK$6,845,000 / US$876,104 . @christieswatches @christiesasia #christieswatches @masa_tamaoki #luxury #luxurywatches #worldauctionrecord #patekphilippe #patek #クリスティーズジャパン #クリスティーズオークション #時計 #ラグジュアリー #パテックフィリップ #香港

Christie's Japanさん(@christiesjapan)がシェアした投稿 -




ツイッターアカウントまで! これはフラゴナールの絵画で、ロスチャイルド家の収集品の一つだそうです。

さてツタンカーメン像ですが、落札者は非公開とされています。

これはツタンカーメン像だから非公開だというわけではなく、一般にこの手のオークションでは誰が何をいくらで落札したのかというのは表には出てこないようです。

それでもこの手の業界に詳しい人たちにしてみれば、
・これだけのお金を用意できて
・かつ美術や歴史に造形が深い人物
ということである程度の推測ができてしまうようなのです。
「クリスティーズは、落札者のプライバシーについて一切公表しません。しかし、現地では様々な噂が飛んでいます。これだけの金額を払える資産家は世界中でもせいぜい150人程度。中でも美術品に興味を持つ4人が専ら取り沙汰されています。ヘッジファンドマネージャーで億万長者のケン・グリフィン、チェーン店ウォルマートの後継者アリス・ウォルトン、中国の実業家・劉益謙、世界一の富豪、アマゾン社CEOのジェフ・ベゾスです。特にベゾスは最近、大量の自社株を売却していたとか……」
(https://www.dailyshincho.jp/article/2017/12030558/?all=1より)

これは2017年にNYのクリスティーズでオークションにかけられたレオナルド・ダ・ヴィンチの作品が落札されたときのことをデイリー新潮が記事にしたときの文章です。

2年前と現在とで世界経済地図が大きく動いてはいませんから、もしかしたら彼らであったり、あるいは世界的大企業の創業者・経営者ではないかと考えるのはあながち的外れではないでしょう。

オークションには偽物が出品されることもある

骨董品もオークションの取扱商品のひとつ。
となると、当然偽物が紛れ込むこともあるようです。

私はヴァイオリンを弾いていますが、この楽器のなかでも最も有名なストラディヴァリウスやガルネリは今から300年ほど前に製作され、今なお現役で演奏されています。

こうした古いヴァイオリンは「オールド」と呼ばれています(時代により「オールド」「モダン」「コンテンポラリー」といった区別があります)が、古くなればなるほど製作家の特定が難しくなり、鑑定書に間違ったことが書かれていたり、ボディの中に貼付されているラベルが偽造されていたりといったことはざらにあります。

こうした嘘を見抜くことができないままオークションで落札し、帰国後に指摘されて気づいたという体験を語るのは、日本弦楽器の佐藤輝彦さん。
帰国後、オークションと業者さんで買い付けたヴァイオリンを持って、知り合いの業者さんをまわりました。意気揚々と披露するのですが、そこで思わぬ洗礼を受けることになりました。
「佐藤君、これは偽物だよ」
私が買ってきたヴァイオリンの中に、イタリアン・オールド・ヴァイオリンではないものがあると指摘されたのです。絵画に贋作があるように、ヴァイオリンにも偽物があるということを、このときはじめて知りました。


これはヴァイオリンに限った話ではなく「開運!なんでも鑑定団」の美術鑑定士・中島誠之助さんによると、骨董品類全般の取引に言える話だそうで、中島さんも若い頃に偽物をそうと知らずにつかまされてしまったことがあるとか・・・。

おわりに

クリスティーズジャパンのHPによると、落札にあたり職業や収入に制限があるというものではないようです。(ただし「初めて参加される方や、一定期間ビッドされていない場合、また前回のビッド金額を大幅に上回る場合には、銀行照会やご本人確認が必要となります」とのこと。)

宝石だったり、絵画だったり、陶磁器などが取引されている、ヤフオクじゃないほうのオークションでも一般の私達でも参加できるようですから、ネタ作りに一度くらいは冷やかしで(?)のぞいてみるのも悪くないかもしれません・・・。


参考文献:『“本物”を見極める』(佐藤輝彦)、『ニセモノ師たち』(中島誠之助)