NHKの朝ドラ『なつぞら』。

このドラマのヒロイン奥原なつ(広瀬すず)は東洋動画というアニメーション会社に就職します。

そして先輩たちから仕事の手ほどきを受けながら仕事に励む・・・。
そんな姿が描かれています。

ところが私は余計なことに小道具(?)として会社の壁に貼り出されている出前のメニュー表がやけに気になってしまいました。

温かいそば
かけ 三十円
きつね 三十五円
たぬき 三十五円 
玉子とじ 三十五円
ちから 四十円
天ぷら 四十五円

らーめん 40円
タンメン 50円
焼きそば 50円
チャーハン 60円

そば屋は値段が漢字書きで、中華料理屋は数字書き。微妙に芸が細かいですね。
さてこの値段は妥当な価格なのか・・・。
ちょっと調べてみました。

japan-3535241__340


『なつぞら』の出前の値段は妥当なのか?

本当はおいしいのかの方が気になりますがそれは検証できません。
値段はというと・・・。

昭和30年頃の物価を調べてみると・・・。
●ラーメン
『値段の明治・大正・昭和風俗史 続続』(週刊朝日/編 朝日新聞社 1981.1)【337.8/37】
ラーメン(東京都内におけるラーメン「並」1杯の標準価格)は p.179
昭和28年 35円
昭和31年 40円
(出典:レファレンス協同データベース http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000170768)

『なつぞら』は昭和30年ごろの東京を舞台にしていますから、ラーメン40円というのはまさにドラマの中に出てきたメニュー表と一致していますね。
なお、当時はコーヒー1杯が50円! 今ならドトールで200円程度でコーヒーが飲めます。
200円といえばラーメンの値段の3分の1~4分の1程度ですから、当時はハイカラで珍しい飲み物ということで希少価値込みでラーメンに匹敵する値段だったのでしょうかね。(インスタントコーヒーが日本で発売されたのは昭和35年。『なつぞら』の時代よりもすこしだけ後になります。)

その他の物価の一例としては、牛乳(ビン入り)は15円。国鉄の初乗り運賃は10円だったようです。

ちなみに昭和30年当時の国家公務員初任給(大学卒業程度)は8,700円。
当時の物価感覚というのはその時代を生きてみないとなかなかつかみづらいものがあるかもしれませんが、とりあえず『なつぞら』はちょっとした掲示物まできちんと作り込んでいることは分かりました!