荒木飛呂彦先生のジョジョシリーズ。その名脇役である岸辺露伴。

『岸辺露伴は動かない』に収録されている短編「懺悔室」では、取材のために訪れたヴェネチアのとある教会で、ある男の残酷なお話を耳にすることになります。

「私が市場でトウモロコシの入った袋を運んでいる仕事をしていると、浮浪者が話しかけてきた。その彼に食べ物を与えることを条件に袋を運ばせたが、衰弱した彼は袋に押しつぶされて死んでしまった。彼は『お前の幸せが絶頂に達した時にこの償いをさせるために戻って来る』と私に告げた・・・」

この男は岸辺露伴を神父だと思いこんで過去の出来事を告白します。

実はこの男は、浮浪者の亡霊に復讐されて死んでしまわないように、召使いを自分そっくりに整形させて身代わりに仕立ててしまいました。

男がこの後どうなったのか、岸辺露伴も「知らない」と独白し、短編は結ばれています・・・。
薄気味悪い物語ですね・・・。

では、実在する懺悔室ではどんな話をしているのでしょうか?

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(画像:イタリアのアマルフィ。筆者撮影)


実在する懺悔室ではどんな話をするのか

実は私自身もイタリアを何度か訪れたことがあり、実物の懺悔室を目にしたことがあります。

アマルフィを訪問したときはガイドさんを雇っていました。
「懺悔室」を読んですぐに「あ、これはリアル懺悔室だ」と気づいた私はガイドさんに尋ねてみました。

「まさか『私は人を殺してしまいました』みたいなお話をするわけ、ないですよね。実際はどんな話をしてるんですか?」

答えはこうでした。
「学校の保護者同士の人間関係とか、夫が気に入らなくてとか、息子が言うことを聞かないとか・・・」

うーん、昼休みの給湯室の会話みたいだ!(でもガイドさん、なんで知ってるの?)

確かに人を殺したとか、放火したなんていう告白なんて、普通するはずないですよね。

自分の住んでいる街の教会の神父さんなら当然お互いのことを知っていても不思議ではありません。
その人に向かってあからさまに犯罪行為を語るのはやはり抵抗があるでしょう。

おわりに

というわけで、ガイドさんの話が正しいならば「いわゆる人間関係の愚痴」が懺悔室でなされている話のようです。
人間関係で悩むのは日本もイタリアも同じようですね・・・。
しかし神父さん、こんな愚痴を聞かされていったいどうしろと・・・。
「夫と別れなさい」なんてアドバイスして、裏目に出てしまったらどうなるのでしょうか・・・?