東京・上野にある東京藝術大学。

一流の画家、音楽家、その他パフォーマーを選ぶ人若者たちの登竜門。

この大学の卒業生は各界で一流と呼ばれる表現者を多く輩出しています。

俳優、伊勢谷友介さん、石丸幹二さん。歌手の井上芳雄さん。ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さん、画家の千住博さん。『もしドラ』の作者である岩崎夏海さん・・・。枚挙に暇がありません。

その東京藝術大学ですが、一流の感性を持つ人が集うだけに、一般人には理解しがたい変人の巣窟でもあるようなのです・・・。

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『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』

この本によるととんでもない学生たちが多く在籍しているとか。

一般の大学で学ぶことは政治学だったり経済学だったり、語学だったり・・・。
ところが東京藝術大学では当然ながら絵画、彫刻、建築、作曲、器楽。
つまりアートそのもの。誰もまだ発見していない感性を絵の具や石膏、音符で表現するのが芸術ですから、どうしても普通の人とは違うことをしてしまうようです。

東京藝術大学に集う個性その1「ブラジャー・ウーマン」

たとえば仮面ヒーロー「ブラジャー・ウーマン」。
絵画科油画専攻の学生がこんなキャラクターに扮しています。
ブラジャーを仮面に、ハートのニップレス姿で究極の美を追求しているとか。

別に彼女はいやらしい目的でこんなことをしているわけではありません。
この学生は小さい頃からブサイクと言われていたことがトラウマとなり、美しくなりたいと思うようになったそうです。ばかりか、他人への無償の愛を与えられる存在になりたいという思いへ発展していったとか。

その美を自分の体で表現する手段が「ブラジャー・ウーマン」なのだそうです。


東京藝術大学に集う個性その2「口笛世界チャンピオン」

東京藝術大学の音楽関係の学科へ入学する場合、当然ながらピアノなりチェロなりの実技試験があります。
ところがある学生は「自己表現」の科目(?)で、「チャルダッシュ」を口笛で吹いたとか。
そして「口笛を他の楽器と対等に扱えるようにしたい」と言って合格したそうです。

彼は将来は教員になることを考えているようですが、口笛をクラシック音楽に取り入れる方法を真剣に研究しているようです・・・。


東京藝術大学の卒業生の進路

東京藝術大学のHPによると平成29年3月卒業者は次のような進路でした。

美術学部:229名卒業。就職35名、非常勤・自営16名、進学102名、未定・他76名。

音楽学部:220名卒業。教職2名、就職14名、非常勤・自営25名、進学78名、未定・他101名。

進路未定・不明がやけに多いのは、なんとなく納得できます。
サラリーマンをやっていると必ず週40時間は拘束されるうえに、その仕事は自分じゃなくてもできる内容ばかりですから、まさに「働いたら負けかなと思ってる」を実行しているようです!

私も東京藝術大学の音楽学部の学生とビールを飲んだことがある

私の通っていた大学では、なぜか東京藝術大学の学生たちを招いて講堂でコンサートを行ってもらうというイベントがあり、私も運営側の一人として参加したことがあります。

先輩から「将来どうするんですかって絶対に聞いちゃだめだ」、そう言われていたのについ私は打ち上げの席で聞いてしまいました。

「将来オーケストラとかに就職するんですか?」

答えはノー。

「え~、オーケストラなんて、その学年で1番うまい人が1人か2人、入れるくらいですよ」

「じゃ、卒業したらどうなるんですか」

「・・・。」(このあたりに自分のコミュ力のなさが現れている)

・・・私自身もヴァイオリンを素人ながらに弾きますが、18歳の時点で全国区の腕を持つ人たちが集うその中でもトップの人しか団員になれないなんて、この道の厳しさを思い知らされました・・・。

思えばこのイベントに来た東京藝術大学の学生たちは皆女の子ばかり。
男子は将来「食ってくためには」を気にしなくてはなりませんから、たしかに芸術系の大学への進学はためらいを感じてしまうのでしょうね。

このとき一緒にビールを楽しく飲んだ彼女たちがその後どうなったのか・・・。

これもまったく不明です・・・。


おわりに

『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』をひもとくと、この他にもあるわあるわ変人エピソードが・・・。そもそも学内でガスマスクを売っているという時点でまずおかしい(理由は読むとわかります)。

また、上に挙げた変な人たちの表現を支える場=国立大学のお金の出どころが税金であるという点も実に面白いです。こうした環境の中からたまに一流の芸術家が生まれていくのですね・・・。