ロックヴァイオリニスト、Ayasaさん。私自身もヴァイオリンを弾く身として、Ayasaさんの活動には注目していました。

一度ライブに足を運んだこともありましたが、激しい演奏ながら演奏は的確そのもの。
「ロック」であるだけに大きな身振りを交えての演奏でしたが、それでも音程を外したり、弓が弦の上でバウンドしたりといったようなことは一切ありませんでした。

プロだから当然だろ! と思うかもしれませんが、ヴァイオリンは演奏がむちゃくちゃ難しいので、音程を外さないだけでもものすごくハードルが高いことなんですよ!

さてそのAyasaさんの使用楽器である、Gliga(グリガ)シリーズ。
ルーマニアのハンドメイドメーカーによる製品です。

そのシグネチャーモデル「Gliga Ayasa Signature Model -5stwith Fishman V-300」発売にあたりAyasaさんは次のような演奏を披露しています。




このモデルの公式サイトはこちらです。
ヴァイオリンは4弦ですが、このモデルは5弦・・・。つまり普通のヴァイオリンには出せない低い音域まで出すことができます。

となると楽譜はヴァイオリンで使われるト音記号なのか、ヴィオラで使われるハ音記号なのか、どちらで書かれたものを使うのか・・・。そこはちょっと謎です。

さてGligaですが、このGliga Ayasa Signature Model -5stwith Fishman V-300ではありませんが私も同じGligaシリーズを使っていました。
その感想について書き留めておきたいと思います。


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Gligaシリーズの価格と、私が購入したいきさつ

Gligaシリーズはいくつかモデルがあり、最も安いものは8万円から購入することができます。
Gligaシリーズの公式サイトによると価格は次の通り。
Gliga Vasile Graffuhleグリガ・バジル:オープンプライス

Maestro Genovaマエストロ・ジェノヴァ :¥450,000

Extra エキストラ:¥350,000

Gliga I グリガI :¥300,000

Gama I ガマI:¥240,000

Gama II ガマII:¥180,000

Gems ゲムス:¥80,000
(2019年3月調べ)

私が使っていたのは、Gemsつまり一番安いやつでした。
もちろん8万円というのは本体価格であり、演奏を始めるためには弓、肩当て、松脂、ケースなど付属品が必要になってきます。セットでおよそ12万円くらいでした。

なぜこのGemsを買おうとしたのかというと、じつは昔ヤマハのブラビオールというモデルを所有していました。
ところが一時期ヴァイオリンから離れていたときがあり、その時に知人に「1万円でいいよ」と手放してしまったのです。

その後、もう一度ヴァイオリンを弾くことになり、とはいえ「やっぱ買い戻すから返してくれ」などとは言いづらく、心機一転再スタートの意味でもイチから購入することにしたわけです。

それで私が選んだのがこのGemsでした。

GligaのGemsを使っていた感想

1.作りがしっかりしている
ルーマニアってなんだか怪しいな・・・。大丈夫かな・・・。と思うかもしれません。
とはいえ意外と(失礼!)作りはしっかりしていました。

中国製の安いヴァイオリンだと、スクロールの彫りが曖昧だったり、表板の膨らみが不自然だったりとビジュアル的に「?」と感じる箇所があります。
その点Gemsではヤマハのブラビオール(私が昔使っていたのは定価20万円のもの)とほぼ同格といってもよい水準でした。

2.音も悪いわけではない
低価格帯(8万円でも低価格って、ヴァイオリンをやってない人からみれば変な金銭感覚だと思います)のわりには、まずまずの音色を出すことができます。

当時の私のメモにはこうありました。
「これまで使っていたヤマハ製の明るい音色とはうって変わり、暗くて渋い響きがしている」。
ヤマハの音色は日本人にとって馴染み深い音だと思います。ピアノが弾ける方はライバル企業である河合楽器のピアノと比べてみると分かるのですが、ヤマハは誰にも親しまれやすい、明るい音色に特徴があります。

Gemsを弾いていた当時の私は、その音色を「渋い」と思ったようです。

もちろんエントリーモデルなので、この楽器を使って実現できる響きには限界があります。
ある程度上達すると買い替えを考えるべきです。
私もこのGemsを2年近く使い、その後別のヴァイオリンに買い替えを行いました。
とはいえ初心者のうちはそこそこのクオリティの楽器がかなり安く手に入るわけですから、「最初に買ってOK」なモデルと言えるでしょう。

いきなり20万、30万の楽器を買うのもアリですが、ヴァイオリンは「えげつなく難しい」ので挫折リスクがあります。
その点、仮に挫折しても10万程度で済むわけですから、まだ笑い話で済ませられます。

ちなみに、私はアッコーライのヴァイオリン協奏曲を練習する頃に買い替えました。
アッコーライのヴァイオリン協奏曲というと、いわゆる教科書シリーズの後半戦に登場する中ボスのような存在です。教科書シリーズが終わると、モーツァルトやバッハのヴァイオリン協奏曲を始めることになるでしょう。


まとめ

以上が、私なりにGligaのGemsを使っていたときの感想になります。
「ヴァイオリンを始めたいが、どれを買ったらいいのか?」とお悩みの方にとっては、安心して買える仕上がりになっていると思います。

なお、ヴァイオリンは本当に難しいので、年単位でじっくりと取り組むことになります。
独学だと確実に失敗しますので、先生に習うことも必須になります。
この点、くれぐれもご注意ください。






2019.10.5追記
楽器購入のための軍資金づくりに、とりあえず1万円をゲットする方法を
に記載しました。