2019年3月16日から始まった新妻聖子さんのコンサートツアー2019。

私は東京都・武蔵村山市民会館で行われたツアーの初日に出かけてきました。

2018年のご出産にあたり、しばらく仕事をお休みしていた新妻聖子さんにとってこのツアーが復帰後の本格的なアーティスト活動の幕開けになります。
一体どのようなコンサートだったのでしょうか・・・。(以下の文章にはコンサートのネタバレも含まれますのでご注意ください。)

s.n
(画像:会場入口で配付されていたチラシより。筆者撮影)

本格復帰の新妻聖子さん。歌声は衰えることなく、否パワーアップ!

この日は彼女の十八番ともいえる「ラ・マンチャの男」 で始まりました。(もちろん、コンサートごとにセットリストは若干変更になる可能性もあります。)
私が彼女の生歌を聴くのはおよそ2年ぶり。
しかし仕事を一旦お休みする前と変わらない力強くて美しい声を披露していました。
わざわざ「この曲」を冒頭に持ってくるあたり、「変わらなさ」をアピールする狙いもあったのでしょうか。

その他にもミュージカル『キャンディード』より「きらびやかに着飾って」と言う難しい技巧を散りばめたオペラのアリア風の曲も歌われており、声量の面でも、技巧の面でも歌声は健在であることを伺わせるものになっていました。

否、健在どころかむしろお休みを挟んでパワーアップしているのでは・・・。
そう思わせるに十分な歌唱だったと思います。

「母親」となった新妻聖子さん。歌い方に共感がにじむ

2018年にご長男を出産されました新妻聖子さんですが、母親になるという新しい経験をすることによって、家族を思いやる内容の曲を歌う時に今まで以上に共感に溢れている様子が伝わってきました。

たとえばこの日歌われた『ミス・サイゴン』の「命をあげよう」。
ここでは一つ一つのフレーズにこれまでのCD録音での歌声とは違った細やかなニュアンスが込められていました。

それ以外でもたとえばさだまさしさんの曲がセットリストに取り入れられるなど、家族への愛をテーマにした曲が所々に散りばめられていました。

これまでは「母」という言葉を想像上のこととして演じるしかなかったわけですが、実際にその立場になってみてより「家族を愛すること」とは何か――、その実感を得ることにより、歌手としてますますの円熟への道を確かに歩みつつあるように思われました。

さらに「これまで」の新妻聖子さんも引き続きそのままに

彼女のコンサートツアーでは必ずアイドルソングを歌うコーナーが含まれています。
以前は中森明菜さんや松田聖子さん、AKB48の曲を歌っていましたが、今回はDA PUMPの U.S.A.を歌っていました。彼女に言わせるとDA PUMPはアイドルなのだそうです!

またこれまでの得意曲であった『レ・ミゼラブル』の「On My Own」やプッチーニの『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」など彼女のトレードマークともいえる曲も歌われており、新妻聖子さんの「これまで」と「今・現在」そして「これから」を伺わせる充実の2時間であったと言えるでしょう。

おわりに

以上が私なりの感想になります。短くまとめると、
・新妻聖子さん、歌声はまったく衰えず
・母親となり、歌詞の世界観をより深く表現するようになったのでは
といったところです。

ツアーは5月まで続きますが、もしコンサートに行く予定だという方は大いに期待して頂いて間違いのない内容になっているはずです。どうぞお楽しみください。


追記:ちなみに、2019年5月15日に新妻聖子さんのニューアルバムがリリースされるとか。
ご参考にリンクを貼っておきます。また、コンサート会場でも予約を受け付けているかと思いますので、もし足を運ばれる方は物販エリアをご確認ください。
(2019年5月14日追記:コンサートのセットリストにはこのCDに収められた曲が多く歌われていました。感想はこちらの記事に書きました。)

コンサートチケットが買えなかった・・・。チケット争奪戦に破れた・・・。という方はこちらの『LIVE MOMENTS』というCDがおすすめです。タイトル通り、ライブ音源がCD化されていますので、彼女のコンサートでの様子が十分伝わってくる一枚です。(6年前の録音になりますが臨場感に溢れており、私もよく聴いています。)


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