日本で販売されている宝くじ。この還元率ってご存知ですか。

およそ50%です。

つまり100万円分宝くじを買うと、当たったり外れたりして合計50万円の賞金をゲットできる! そういう仕組になっています。

つまり買えば買うほど数学的には損! \(^o^)/オワタ

もちろん年末ジャンボもそうです!

ところがかつてフランスでは「買い占めれば確実に儲かる宝くじ」が存在していました。

ある人物がそのことに気づき・・・。

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【驚愕】ヴォルテール、友人の数学者と共謀 宝くじ買い占めを決意

私の手元にある『毒舌訳 哲学者の言葉』(有吉弘行)によると、
ヴォルテールは友人の数学者と組んで、国が発行する宝くじの当選確率を計算。
すると、すべての宝くじを買うと100万ルーブル儲かることを発見。
そこで、ヴォルテールらは借金などをして全宝くじを買い占めた。
これに気づいた主催者側は即座に賞金の支払を停止し、一味を詐欺罪で告訴。
しかし無罪判決が下った。
この時彼らが手にした賞金は50万円ルーブル。現在の日本円にして約5億円相当であった。

このように伝えられています。ヴォルテールは歴史の授業でも登場する、18世紀の哲学者。イギリスのジョン・ロックとともに啓蒙主義を代表する人物です。

Voltaire
(ヴォルテール。画像:ウィキペディアより)

ヴォルテールの行動力、ずば抜けていた

・哲学者が「宝くじの当選確率は・・・」なんて俗っぽいことを考え
・単に考えるだけではなく数学者の専門知識も活用して調べ上げ
・借金までして買い占める
こんなことする人、まずいませんよね。

今ならビットコインを借金して買い占めて、高値で売却しよう! そんな発想でしょうか。
でも普通のサラリーマンなら、借金までしてビットコインを買おうなんてなかなか行動に移さないはず・・・。

古代ローマの詩人、ヴェルギリウスは「幸運は大胆な人たちに笑いかける」という言葉を残しています。まさにヴォルテールのような行動力を持つ人だけが歴史に名を残すということでしょうか。

もっとも、大胆と無謀を履き違えて破滅していった者たちも数知れず・・・。

生存バイアスにご注意

プロ野球・野村克也監督の名言に「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉があります。

勝つ時はまぐれ当たりで勝つこともありますが、負ける時は必ず理由があることを指していう意味です。

「これで戦争に生き残った」「タバコを毎日吸っているが、85歳まで生きた。大往生だった」というのは、えてして「こうすれば戦争で生き残れる」「タバコを毎日吸っても健康でいられる」という誤解を生みがちです。

実際には、たまたま生き残っただけであって、あなたが同じことをしても戦争で生き残ったり、肺がんで死んでしまうことは十分ありえます。

これを「生存バイアス」と言い、どんな環境でも(たまたま)成功する人がいるので、その原因をもっともらしく説明してもあまり役には立ちません。
あなたがスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツと同じことをしても同じように成功できるとは限らないのです。

もちろんヴォルテールも、計算結果を検証したうえで宝くじを買い占めたとはいえ、裁判で負けていた可能性だってあったはず・・・。

やはり宝くじはギャンブル性が強い(というか、ほぼ確実に外れる)ので、そこにお金を突っ込むくらいならまだこちらの本を読んで笑ってるほうがマシかもしれませんね・・・。

こちらの本では「生活は簡単に、思想は高く」(エマーソン)のような言葉を有吉弘行が自分の干されていたころの経験から「貧乏こそが地球にやさしい究極のエコ」と解説しています! 
新幹線や飛行機の中で読み流すのにおすすめです!!