日本の「世界最低レベル」には色んなものがあります。
たとえば有給取得率は世界最低レベル。

じつは労働者が有給休暇を取得できることは、法律により保障されています。
日本は法治国家であり、憲法にも法の下の平等が謳われています。

したがって、「なんとなく職場の空気が」なんていう理由があったとしても、職場の雰囲気や上司の心象と法律がぶつかりあったときは、当然に法律が優先され、サラリーマンは有給という権利を行使できます(注:実際には時季変更権というものがあり、100%取得できるわけではありません)。

「上司が反対して有給を使わせない」=権力の濫用を防ぐために労働法=基本的に労働者を守るものとして制度設計されている法律が制定されています。

ところが日本人は有給を取る時になぜか「すいません」と言い、さらには育休を取るときにさえ「すいません」。
そういう話法が染み付いている時点でザッツ世界最低レベル。

有給取得率が低いのは私たちの「職場に迷惑をかけてはいけない」という忖度であり、私たち「働く側」がなぜか「働かせる側」にとって有利な発想をすることであり、つまりは働かせる側が権力を行使しやすい環境づくりをサラリーマン自らがしているのです。

職場に迷惑が掛かるではないか・・・。
しかし人のやりくりや業務進行を調整するのも経営者の仕事のうち。
法で認められた範囲で権利を行使することは権力のチェックにもなります。
しかしそれを自ら放棄しているわけですから、経営者にとって日本は暮らしやすい国でしょう・・・。

官僚の忖度がけしからんと憤慨するサラリーマン・・・。有給申請で「すいません」と言った時点でじつは官僚と同類なのです。

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「休まない」日本人の“忖度”という病。大前研一氏喝破

大前研一氏はプレジデント誌の「休まない」日本人の“忖度”という病」という記事でこのように語ります。
プレミアムフライデーの空振りから強く感じられるのは、休暇が取りにくい日本の労働慣行であり、休みさえ指示命令がないと取れない、「取れない」というより「取らない」心理である。上から「休暇なんか取るな」と言われるまでもなく、そう思ってしまうメンタリティは相当に深刻だ。森友学園や加計学園の問題で官邸の最高レベルに対する官僚の「忖度」が問題になっているが、日本のサラリーマン社会も「忖度」のネットワークが張り巡らされていて、社員を雁字搦めにしている。有給休暇が半分しか取れないほどに、である。

これは、「会社全体として、有給を取るべきではない」という空気が共有されており、かつ私はそのことを知っている。あなたもそのことを知っている。私が有給をとらないからあなたも取らないしあなたも取らないから私も取らない・・・。という風に堂々巡りであり、まさに負の連鎖です。ザッツ村社会。

そう。村社会では掟に従うことを暗黙のうちに強制され、それが守れられないと村八分にされる。しかしその掟は明文化されておらず(日本のサラリーマンも契約書を取り交わさないのが一般的である)、村の外から来た人には理解不能です。

大前研一氏は言葉を続けて、
働き方改革と休み方改革、どちらにとっても重要なのは仕事に対するオーナーシップではないかと思う。自分がその仕事のオーナーだ、という意識を持つこと。勤め人であっても、与えられた仕事については自分がオーナーだと認識すればすべて自分でマネジメントできる。そして結果を出せばいい。
(以上、出典はhttps://president.jp/articles/-/22560?page=3)
と語ります。

実際には、仕事が一担当者のところまで下りてきた時点でそれなりに最適化が終了していますから、現実には常に仕事に対してオーナーシップを持つことは難しいでしょう。
しかし、「私は何々をやりたい」「生きている間にこれをやってみたい」そういう意思を持つことは可能です。
そういう意欲があれば、時間に対する意識も変わり、休暇の使い方、取り方も変わってくるはず。

私も沢山のサラリーマンと会ってきましたが「生きている間にぜひやりたいこと」を明確に意識できる人は少ないのが現実です。

この記事に辿り着いて下さった方は、サラリーマンの生き方や働き方について興味がある方だと思います。
そんなあなた、ブログを初めてみてはいかがでしょうか。
自分の考えを形にしているうちに価値観が明確になっておすすめですよ・・・。

ちなみにこちらの本は忖度をバッサリ。忖度をビョーキと書いているのは若干煽り気味な気がしますが、これからの時代、外国人の同僚が増えるのは確実です。忖度はムラ社会的行動パターンですから、外国人には理解されないでしょう。彼らを仲間として受け入れるフラットなコミュニケーション、多様性ある社会づくりのためには、この本のような劇薬的考え方も必要ではないでしょうか。