2018年10月28日に行われた日本音楽コンクールのバイオリン部門本選。

結果は次のとおりでした。

10月28日に行われた第87回日本音楽コンクール バイオリン部門本選の結果は次の通りです。(敬称略)
1位  荒井里桜
2位  佐々木つくし
3位  福田麻子
入選 関 朋岳
岩谷賞(聴衆賞) 
佐々木つくし
(出典:http://blog.mainichi-classic.jp/)

私も素人ながらにヴァイオリンを弾きますが、本当に素人レベル。
未だにモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番にもたどり着けません!
これは一流音大を目指す人なら小学3年生くらいにはクリアしてるべき曲です・・・。
才能ないうえに努力が足りてませんね! \(^o^)/オワタ

スポーツと同様、音楽の世界も毎年ちょっとずつレベルが上がっているようです。
そんなハイレベルな競争を制した荒井里桜さんには心より敬意を表します。
ちなみに私はこのコンクール本選が気になっていてチケットを買おうとしましたが、とっくに売り切れていました・・・。
(追記:「前売」は売り切れていましたが、当日券が販売されていたことを後で知りました。後の祭りとはこのことです。)


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荒井里桜さん、経歴は?

すでに東京フィル、新日本フィルとの共演を果たしている荒井里桜さん。
これまでコンサートのチラシなどに公表されている情報を整理します。

出身:1999年東京生まれ
在籍校:2018年現在、東京藝術大学音楽学部
主な受賞歴:第68回全日本学生音楽コンクール東京大会高校の部第1位。ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール2017ユース部門第1位。第15回東京音楽コンクール弦楽部門第1位及び聴衆賞。
師事歴:ジェラール・プーレ氏、澤和樹氏など

演奏動画もYouTubeで公開されていました。こちらはメニューイン国際コンクールに出場したときのもののようです。

 


日本音楽コンクール・バイオリン部門のこれまでの主な入賞者

江藤俊哉さん、潮田益子さん、篠崎功子さん、藤原浜雄さん、千住真理子さん、諏訪内晶子さんなど、錚々たる顔ぶれが並びます。
日本のヴァイオリニストの長い伝統に連なる権威あるコンクールで1位を受賞したわけですから、今後の荒井さんはソリストとして活躍したり、オーケストラの主要奏者になったり、あるいは教職に就いて後進の指導にあたるといったキャリアが想定されます。

今後はどのような活躍をされるでしょうか。さらに権威ある国際コンクールに挑戦するのか。
それともコンサート活動を増やしてゆくのか・・・。

いずれの道に進まれましても、豊かな才を生かしてバッハやモーツァルトの音符に命を吹き込んで、沢山の方に音楽の素晴らしさを伝えて頂ければと思います。

さて本選で荒井さんが演奏したのはブラームスのヴァイオリン協奏曲。
じつは荒井さん、2018年11月には東京都羽村市でのコンサートで同じ曲を東京交響楽団と共演します。
詳しくはこちらをご覧ください。



以下は荒井さんとは関係ないお話になりますが、コンクールで素晴らしい成績を収めたのち、コンサート活動を精力的に行っていたものの、「やはり学びを深めたい」としてアメリカに留学した諏訪内晶子さんの真摯な姿勢も素晴らしいと思います。

諏訪内晶子さんの著作「ヴァイオリンと翔る」は何年も前に読みましたが、コンクールに明け暮れた日々やアメリカ留学中の体験などをみずみずしい感動とともに綴ったこの本を最近改めて読み返してみて、感動を新たにしました。この記事をお読み下さった方が気になりそうな本だと思いますので、以下にリンクをご紹介いたします。

ヴァイオリンと翔る (NHKライブラリー)


追記2:荒井さんのことがNHKの番組で取り上げられたようです。
もし育児中で、お子様に音楽関係の習い事を学ばせていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、こちらの本がご参考になるかと思います。

千住家の教育白書 (新潮文庫)

この本は日本画家・千住博さん、作曲家・千住明さん、ヴァイオリニスト・千住真理子さんを育てた千住文子さんの記録で、子供3人全員が芸術家としての道を歩んだ様子や、慶應義塾大学教授だった夫との二人三脚での育児・教育の様子が綴られています。

厳しくも温かい家庭に育った3人が、いかにして芸術家となったのか――。
その様子が描かれた、まさに感動の記録といえるでしょう。

関連記事:ヴァイオリニスト・荒井里桜さんの使用楽器、ガダニーニについて。どんな楽器か