2018年10月16日朝日新聞記事によると、ビル・ゲイツ氏と並ぶマイクロソフトの共同創業者であるポール・アレン氏が悪性リンパ腫で死去したとのこと。

米マイクロソフトの共同創業者、ポール・アレン氏が15日、悪性リンパ腫で死去した。65歳だった。20代前半だった1975年、ビル・ゲイツ氏と共にマイクロソフトを創業し、世界的な企業に成長する同社の礎を築いた。太平洋戦争時の沈没船の調査を率いていることでも知られていた。

 アレン氏の関連会社が15日、発表した。今月1日、別の悪性リンパ種が再発したとして、「病気と闘う」という声明を自ら出し、いったん治療に専念する意向を示したばかりだった。
(出典:https://www.asahi.com/articles/ASLBJ2SJ4LBJUHBI00J.html)

65歳という早すぎる旅立ちが残念です。
今日はポール・アレン氏のエピソードを調べて、彼の歩みを振り返ってみたいと思います。

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(在りし日の駆逐艦島風。画像:ウィキペディアより】


戦艦武蔵・駆逐艦島風の調査

2015年3月、フィリピン沖で太平洋戦争中に沈没した旧日本海軍・戦艦武蔵の残骸を発見したエピソードは記憶に新しいですよね。
同じく駆逐艦島風ではないかとされる艦船もフィリピン沖で発見しています。
生前、「武蔵」は日本に寄付したいと語っていたとか・・・。

他にもアメリカ海軍の巡洋艦「インディアナポリス」も発見しています。
インディアナポリスは大戦末期、広島に投下された原爆の部品を運ぶ秘密作戦を終えてまもなく撃沈されました。やはりフィリピン沖での発見でした。
これだけ多くの艦船が見つかっているわけですから、太平洋戦争では、とくにフィリピン周辺が激戦だったということですね・・・。

軍用機コレクションへのこだわり

第二次世界大戦で使われたP-51マスタング(米)やBf109(独)、一式戦闘機(日)など数々の貴重な航空機をコレクションしていたことで知られています。
軍用機以外でもM4シャーマン中戦車(米)などもコレクションしており、フライング・ヘリテージ・コレクションという私設博物館で実物を目にすることができます。
資産2兆円とも言われるそうですから、アメリカの富裕層はやることなすこと大規模ですね・・・。


ギタリストとしてのポール・アレン氏

さらに! ギタリストとしての腕前もなかなかのもの!



この動画では元ビートルズのリンゴ・スターと共演を果たしています。
アレン氏のソロは4:45から! 私もエレキギターを弾きますが、いわゆる定番のフレーズを落ち着いて披露している様子が伺われます。
人前でギターを披露しようとして舞台に上がると、手が震えたり足がガクガクしたりしてうまくいかないものです。しかしそこはアレン氏、マイクロソフトを立ち上げただけのことはありますね! そつなくソロを披露して聴衆を沸かせています!

アレン氏は、およそ110億の資金円を集め、ポピュラー文化とロックをテーマにしたポップカルチャー博物館「MoPOP」を建設しています。軍用機だけでなく、音楽にもお金を出しているんですね!

「こち亀」の両津勘吉が大富豪だったらいかにもやりそうなことをことごとく実行しています!


ポール・アレン氏の名言

後数年で全ての人が行くことができる宇宙観光は実現し、驚くべき時代となります。
その時を私はとても楽しみにしています。きっとみなさんはすぐにでも宇宙に行ける事でしょう。
その彼はこんな名言を残していました。
宇宙観光はまだ実現していませんが、この発言の裏にはアメリカらしい楽天性とでも言うのか、未来を素直に信じる心が伺われます。
アレン氏もまだまだ社会に貢献できたはずなのに、その早すぎる死が惜しまれてなりません。

この記事をもって、マイクロソフト経営を始めとして現代社会に大きな足跡を残したポール・アレン氏への追悼とさせていただきます。



ご参考:彼の自伝には、アイデアのポールと現実主義のビルといったスタンスで夢を追い続けた姿が描かれています。
ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト アイデア・マンの軌跡と夢