ある日のこと。
新宿駅東口から歌舞伎町の方に向かって、某弦楽器店目指して歩いていると、


・・・ブリィィィッ!!


ブリィィィッ!!


ブリィィィッ!!


という変な音が聞こえたので何だろうと思い振り返ると、ブリブリというエンジン音とともにマリオカートが走っていました!

マリオか!

同じマリオカートを恵比寿でも見かけました。

外国人が、マリオカートに乗っている! 

いやあれは本当のマリオか!?

と思っていたら「マリカー」という名前を勝手に使った、任天堂とは関係ない企業が主に外国人観光客向けに提供しているアクティビティだったようです。

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公道カートは知財の侵害だった!?

その企業の公式サイトによると
「マリカー」は公道上でゴーカートを運転して観光する、冒険型の健全な観光アクティビティです。任天堂やゲーム「マリオカート」(Mario Kart)とは無関係で全くの別物です。ですから、公道上でレースを行うことはできません。バナナの皮等のゴミを公道に投げ捨てることもできません。ましてや、赤い亀の甲羅などの物品をお互いに投げ合うこともできません。マリカーでの楽しい体験は、日本での忘れることのできない一生物の思い出になるでしょう。私たちは、お客様が安全に楽しんでいただけるよう、安全を最優先に運営を行っております。ご協力に感謝します。
(出典:https://maricar.jp/jp/akihabara.html)
とのこと。マリオカートそっくりのゴーカートをレンタルできるだけでなく、実際にマリオなどとそっくりの服も借りられるサービスだったようです。

このことについて、任天堂は2017年2月24日、「公道カートのレンタルサービスに伴う当社知的財産の利用行為に対する訴訟提起について」という声明を発表。

本日2018年9月27日、同社は続報を発表。
本日、東京地方裁判所において、「マリカー」という標章等が被告会社の需要者との関係で当社の商品等表示として広く知られていることを認めた上で、被告会社に対して、不正競争行為の差止(例えば、被告会社の営業活動においてマリオ等のキャラクターのコスチュームを貸与することが禁止されることが判決文中で、例示されています。)と、損害賠償金の支払い等を命じる判決が下されましたので、お知らせいたします。
(出典:https://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2018/180927.html)

ポイントとしては、
1)マリオカート=マリカーと広く認知されている
2)コスチュームをレンタルしている
が不正競争行為になることでしょう。

不正競争行為は、次のことを指すようです。
1)混同惹起行為・・・まぎらわしいロゴやパッケージデザイン
2)著名冒用行為・・・他社の有名商品と同じ名前または類似のものを勝手に使う
3)形態模倣行為・・・パクリ
4)営業秘密・・・営業上、技術上の秘密を使用

こうした行為は、たしかにマリオカート、マリオの服装を無断で使っていた場合は該当すると言わざるを得ないでしょう。

公道カート、ではどうすればいいのか

無許可でビジネスを行っていた場合、たしかに今回のような判決となるのは当然と言えるでしょう。
ただし、私は公道カートを複数回見かけましたが外国人観光客が嬉々として東京を駆け抜けていたのも事実です。

例えば正式に許諾を得るとか(可能かどうかは別として)、マリオを想像させない公道カートにするなどの対策を取れば問題はなかったのかもしれません。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて外国人観光客は今後一層増えてくることが予想されます。
しかしホテル不足への対策として浮上してきた民泊ビジネスもクリアすべき基準が厳しくなっているなど、「需要はあるが法令上、参入が難しい」などの課題も浮かび上がっています。

公道カートに限らず、需要の取りこぼしをしないことと、公正なビジネスを行うことの両立は極めて難しいことのようです。