荒木飛呂彦先生の代表作、「ジョジョの奇妙な冒険」。

その第1部でブラフォードは自らの剣に刻まれたLUCK(幸運)に血でPを書き加え、PLUCK(勇気)の剣とするシーンがあります。

さてその言葉はジョジョがオリジナルではなく、世界中で名言の一つとして親しまれています。

出典はどこかというと・・・。

tsurugi

LUCKにPを加えてPLUCK。その元ネタは世界中で知られた名言だった?

私が手元にあるカーネギーの本「名言集」にはこう書かれています。
「luck(幸運)にPが加わってpluck(勇気)となれば、鬼に金棒である。」
作者不明

原著Dale Carnegie's Scrapbookは1959年出版。
創元社から邦訳が発売されたのは、奥付によると1972年。

言葉を言った人までは分かりませんでしたが、今を遡ること60年ほど前にはすでに広く知られていた名言のようです。

さてジョジョの奇妙な冒険第1部は19世紀イギリスを舞台にした作品。
冒頭に「二人の囚人が鉄格子から外を眺めた。 一人は泥を見た。一人は星を見た。」という有名な言葉が掲げられていますが、これはアイルランドの詩人、フレデリック・ラングブリッジ(1849~1923)の言葉です。

捉え方次第で、ものの感じ方はいかようにも変わることを示しています。
転じて、ディオとジョジョの宿命をも暗示しているかのような使われ方ですね。

ジョジョの奇妙な冒険と「レ・ミゼラブル」のつながり

同じ19世紀のフランスの文豪、バルザックの代表作といえば「レ・ミゼラブル」。
ミュージカルになり、映画化もされ、一度は見たことがあるかと思います。

「レ・ミゼラブル」ではジャン・ヴァルジャン銀の食器を盗み、捕えた憲兵に対して「食器は私が与えたもの」だと心優しい司教が言う場面があります。
ジョジョの奇妙な冒険第1部でもディオの父が捕まり、ジョジョの父が警官に対して「私があげた」という一コマがあります。(第2部でも同様のシーンあり)

同じく「レ・ミゼラブル」では、テナルディエがワーテルローの戦いで戦死した(と思っていた)将校から勲章を盗むも、後日その将校が生きていたことを知り、慌てて自分が命を救ったとごまかす場面があります。

ここを元ネタにしているのか、「ジョジョの奇妙な冒険」第1部では、ディオの父親が落馬事故で亡くなった(と思っていた)ジョジョの父から、時計を盗むも、後日ジョジョの父が生きていたことを知り、慌てて自分が命を救ったと嘘をつく一コマがあります。

荒木飛呂彦先生も「ジョジョの奇妙な冒険」を執筆するにあたり、19世紀の有名な文芸作品などに取材して作っていることが伺われますね。

まとめ

このように、漫画もじつは古典と言われる作品を下地にしてエピソードを作っていることがよくあります。
元ネタを知っていると、「これはアレだな」と一人でニヤニヤできたり、楽しみ方も広がります。
これからもギリシャ神話から村上春樹まで、様々な作品に親しんでいきたいと思います。