社会の第一線で活躍しているスポーツ選手、芸能人たち。
彼らの多くは、ストイックな姿勢を崩さないことで知られています。

メジャーリーグで優れた戦績を上げているダルビッシュ選手。
彼は脳科学、生理学などの本を多く所有し、科学的な知識を野球に役立てようとしているとか。「これを読むだけで昨日と今日は違う」と読書に励む彼。見えないところでも努力を積み重ねているようです。

元SMAPの中居正広。
彼は常に「ネタ帳」を持ち歩き、MCや注意点、番組の演出や進行についてのメモがびっしりと書き込まれているそうです。演技だけでなく司会者としても定評がありますが、そうした地位を維持するための秘策は「自分のメモ」なのでしょうか。

女優として独り立ちしつつある元AKB48の渡辺麻友もアイドル時代からストイックであることを自らに課しており、ドラマなどで共演したベテラン俳優からも演技に寄せる真剣な姿勢が高い評価を得ています。

こうしたエピソードを耳にするたび、ストイックでありたい、自分もこうなりたいと誰もが願うはず。
今日は「ストイックさを身につけたい」、そう思う方が必ず読むべき本について考えて見たいと思います。

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ストイックの語源=ストア哲学

ストア哲学は古代ギリシアの哲学者、ゼノンによって始められました。
この哲学は禁欲や忍耐といった道徳と結びついており、欲望を抑えて理性に従うことを良しとしていました。
古代ローマ皇帝、マルクス・アウレリウスはストア哲学に傾倒しており、外征の傍ら陣中で日々の気づきを書きとめます。

その記録が、現在では「自省録」と題して知られています。
「自省録」は、今から1900年ほど前に書かれたとは思えない、普遍性の高い思想が盛り込まれており、マルクス・アウレリウスが「ストイックとは、こういうことだ」と訴えかけているかのようです。

今日は「自省録」から3つの言葉を抜き出してみたいと思います。


「自省録」から注目すべき3つの言葉

アポローニウスからは、独立心を持つことと絶対に僥倖をたのまぬこと(を学んだ)。たとえ一瞬間であっても、理性以外の何物にもたよらぬこと。ひどい苦しみの中にも、子を失ったときにも長い患いの間にも、常に同じであること。

私なりの感想:人は窮地に陥ると、「もしかしてラッキーな巡り合わせがあるんじゃないか」などと余計な期待を抱く傾向があるようです。例えば個人レベルでは「自分は40歳だが、25歳くらいの女性と知り合って結婚することもあるかもしれない」。国家レベルでは「戦局は思わしくないが、乾坤一擲の勝負で状況を打開できるはずだ」。

そんな期待は幻想であると、マルクス・アウレリウスは喝破しているかのようです。
理性を重んじる合理的な姿勢が伺われます。

人生を建設するには一つ一つの行動からやって行かなくてはならない。

私なりの感想:当たり前のことを言っているようで、なかなか難しい。厳しい言葉です。
自分はヴァイオリンの演奏だったりマラソンだったりに取り組んでいます。その経験上、努力は嘘をつかないと実感しています。しかし一つ一つの行動をするたびに何かしら壁に突き当たります。それでも地道な積み重ねを続けていくしかないようです。

ちなみに、デカルトは「困難は分割せよ」という言葉を残しています。行動が難しいときは、簡単なことから手をつけていくとリズムに乗りやすいようです。

隣人がなにをいい、なにをおこない、なにを考えているかを覗き見ず、自分自身のなすことのみに注目し、それが正しく、敬虔であるように慮る者は、なんと多くの余暇を獲ることであろう。目標に向かってまっしぐらに走り、わき見するな。

私なりの感想:よく「人の目を気にする必要はない」と言われます。発明に没頭したエジソン、トロイア遺跡の発掘にチャレンジしたシュリーマンなどは、人目を気にせず、自分のミッションに集中し、しかも成功を収めました。
現実には、誰もが成功するわけではありません。しかしながら、自分の志に忠実であることは成功のための必要条件のようです。

まとめ

これらの言葉はマルクス・アウレリウスの「自省録」のほんの一部に過ぎません。
しかしながら、たった3つの言葉を引用しただけですが、記事冒頭で取り上げたスポーツ選手、芸能人の仕事術に通じる姿勢が伺われませんか?

私が「自省録」と出会って6年ほどになりますが、この本から学べることはまだまだ沢山ありそうです。折に触れて読み返していきます。