2018年8月4日からフジテレビ系列で放送中の渡辺麻友主演ドラマ「いつかこの雨がやむ日まで」。
引き続き、第3話について気づいたことを書いていきます。

時間は後戻りできません

第3話では「時間とは後戻りできないものだ」ということに度々焦点が当てられていたと思います。

例えば劇団ウミヘビの監督、天竺要は北園ひかり(渡辺麻友)の演技に今ひとつ集中力がないことを指摘して、ある自分の体験を話します。

「大学時代、リオのカーニバルを見物した。その帰り道、酔っぱらって歩いてると、拳銃を持った子供に脅された。そのとき自分は死を覚悟し、“今死んでもいいと思える生き方をしていなかった”ということを悟った」。

確かに人の一生はわずか数十年。長い歴史の中からみればほんの一瞬でしょう。
だからこそ人は誰もが懸命に生きようとするのではないでしょうか。
(そして、それが中々難しい。二度寝とか二日酔いとか、後回しにした宿題とか・・・。一日一日は巻き戻しできないのに、懸命に生きられない日常は誰にでも心当たりがあると思います。その意味で、ストイックな人はストイックであるというだけで価値があると言えるでしょう。)

また、母は恐竜のおもちゃを接着剤で修理しようとする場面が描かれ、「壊れたものは二度と戻らない」ということが示唆されています。

思うに、「時間は後戻りできない」というメッセージが手を変え品を変え、変奏のように度々表現されているようです。

第3話では渡辺麻友が喧嘩をするシーンがありました。
1年前はアイドルをやっていた人が今ではキャバクラ嬢になり、暴力をふるっている(という演技をしている)!
少しずつ変わってゆく彼女の現実の姿も、良い意味での「時間の不可逆性」を語っているようでした。


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(過去の重みが表情に表れている? 画像:管理人キャプチャ)

後戻りできなくても、やり直すことはできる

そうは言っても、「いつかこの雨がやむ日まで」は過去の出来事に押し潰されるような絶望一色ではなく、暗闇の中から射し込む一筋の光も描かれているように思えてなりません。

前述の恐竜のおもちゃ。これは後でひかりの母が「くっついた」と言うシーンがあります。
また、ひかりが出した退団届を谷川和也(堀井新太)が取り戻す場面があり、少しずつ二人の気持ちが重なりあっていきます。

この場面には、時間は後戻りできないが、過去につまづいたことがあっても、これからやり直すことができるという意味が込められているようも見えます。

「ロミオとジュリエット」を取り上げたワケを深読み

思えば「いつかこの雨がやむ日まで」で演じられる「ロミオとジュリエット」も、いがみ合うモンタギュー家とキャピュレット家がロミオとジュリエットという、愛し合う二人の犠牲を経てようやく不毛な憎悪に終止符が打たれるという物語でした。

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(ロミオとジュリエット。画像:ウィキペディアより)

ロミオとジュリエットが出会わなければこういうことは起こりませんでした。巡り会いとは恐ろしくもあり、かつ予想できない何かを生み出すものです。
もしかすると「ロミオとジュリエット」が作中で取り上げられているのは、こうしたことを暗に視聴者に伝えようとしているのかもしれません。あくまでも個人的な深読みになりますが・・・。

ただこのドラマの副題がJuliet in The Rainですので、何かしらシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を意識したメッセージが仕掛けられていても不思議ではないでしょう。

容疑者の家族だと言われても、ミュージカル女優の夢を胸に生きようとするひかり。その支えになりたいと願う和也。この二人の巡り会いがどこへ着地していくのか、引き続きドラマを見守っていきたいと思います。

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注:本作品は【フジテレビオンデマンド】 でも配信されています。登録すると1ヶ月無料とのこと。